受話器


家に帰り 黒電話の前に座りこむ

キミの番号いえでんの書かれた紙をにぎり


今とは違い

昔はコードレスじゃなかった電話


語り尽くせなかったこと

別れ間際に盛り上がった

たわいもないことに花を咲かせたい

親の目を気にしながら


だけど


だけど明日もまた学校で逢えるから

持ち上げた受話器をおろす

迷ったまま




─────────────

スマホも携帯もなかった頃

家族の目を気にしながらって…

いつの時代だろう

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