第28話 ターニャさんとの生活
「あの、私の食事は無いのでしょうか?」
「何を言っているの?ちゃんとテーブルの上にあるじゃないか?」
僕は雪乃様の信者だから、余り食事も豪華な物を好まない。
もっと豪華な物じゃないと駄目だったのかなな…
ちなみに、今日作ったのはオムライスだ。
「ターニャさん、ご主人様は奴隷や仕える相手だからと差別しませんよ! そこにあるのがターニャさんの分です」
「あの…本当に宜しいのですか?」
「ああっ、大した物じゃ無いけどね、僕の場合は祝福をくれた神様の影響で贅沢は出来ないんだ、悪いけど我慢して」
「我慢なんてそんな、これ本当に私が食べてい良いんですか、ありがとうございます」
いきなり、そのまま食べ始めた。
「椅子に座って食べようか?」
「奴隷は床に座るか立ってが…」
「ご主人様は違いますから、普通に座って下さい!」
「解りました…」
ターニャさんは、不思議そうな目でこちらを見ている。
よく考えたら、此処は異世界。
奴隷について僕は知らない。
本来はターニャさんの方が正しいのかも知れない。
だが、僕にはそんなの関係ない。
僕が欲しいのは仲間だから。
「余程お腹空いていたんですね」
ターニャさんはガツガツとオムライスを食べている。
「良かったら、僕の半分食べていいよ」
「宜しいのですか?」
「勿論」
「ご主人様があげる位なら私が…」
「マヤさんはしっかり食べないと駄目でしょう」
マヤさんの体は機械。
話しを聞くと食べた物を変換して体を動かしているみたいだから、食べない訳にはいかない。
「ですが…それではご主人様が、お腹がすくのではないですか?」
「今日は出かけないから、お腹がすいたらお米を炊いておにぎりでも食べるから良いよ」
「「すみません」」
「気にしないで良いからね」
この世界、異世界人が居るせいか米はあった。
しかも、不人気なのか安い。
尤も、銘柄米みたいに美味しくはないけど…米が食べられるだけで有難い。
◆◆◆
しかし、凄いな。
SFの世界から来たような美女に巨乳美女お姉さんとの暮らし。
一緒に居るだけでテンションが上がるよな。
雪乃様は『貧乏神はお金以外の幸せは沢山あげられる』って言っていたけど、本当にそうだ。
幸せだな。
「あのぉ~、私は一体何をすれば宜しいのでしょうか?」
「ご主人様が全部やるので何もやる事はありません!」
「あの、マヤさん…私は奴隷でマヤさんは従者みたいなものですよね?」
「そうですよ?」
「ですが、食事の用意や掃除はツバサ様がしていますよね、そしてお話では戦闘も…それでマヤさんはなにをしているんですか?」
「お金を貰ってセクシーでカッコ良くなっています!」
「えっ、マヤさんとツバサ様ってそういう仲なんですか?」
「私は…そういう仲になっても良いのですが…ご主人様は求めてくれません!」
「え~と解りません…あのマヤさんは別にしまして、私はどうすれば良いのでしょうか? 戦闘では役に立ちませんし、家事だって実は得意じゃありません、その、嫌われていたので、1人で暮らしていましたし、真面な食事すら食べた事が無いので作れません…今日食べた料理が、今迄食べた料理で一番美味しかった…私は奴隷として何をすれば良いのでしょうか?」
確かにそうなんだよな…
だけど、それで良いんじゃないかな?
「正直に言えば、ターニャさんだけじゃ無くマヤさんもそうなんだけど、一緒に居るだけでワクワクするし、毎日が楽しい」
「ツバサ様、私は耳長族ですよ? 歳も結構いっていて女としての価値も無いし、夜の相手すら臭くなるから出来ません…奴隷の価値としてもゼロの女なのですから…」
SFサイボーグ美少女に巨乳エルフお姉さん。
まるで主人公みたいな生活。
この生活そのものが楽しくて素晴らしい。
「僕の神様、雪乃様は『貧乏神』という神様でね、前の世界じゃ嫌われていたんだ…でもね、僕が死にかけた時他の神様は助けてくれなかったけど、雪乃様は助けてくれた。だから僕にとっては最高に素敵な神様なんだ」
「そうですか…」
「そうだよ!それはマヤさんやターニャさんも同じ、雪乃様が僕にとって素敵な神様の様に、2人は誰がどう言おうと僕には素敵な女性です」
「それ本当ですか?」
「ご主人様は…本気で言っていますよ、それにターニャさんにも出来る事はありますから大丈夫ですから!」
「私にも出来る事があるんですね…解りました」
「それじゃ、ご主人様ちょっとターニャさんと出かけてきますね」
「ああっ、解った」
そう言えば、ターニャさん、殆ど物持っていないから、色々必要だよな。
流石、マヤさん気が利くな。
◆◆◆
「マヤさん、本当にこんな恥ずかしい格好をするのがツバサ様の為なんですか?はは恥ずかしいです」
「はい、ほうらご主人様も顔を赤くしていますよ…ねっ!顔が赤いでしょう?」
真っ赤にもなるよ。
ターニャさんは胸もお尻も大きい、セクシーな巨乳のボンキュウッボン。
それがトップレスの状態で黒色のスケスケのネグリジェに同じくスケスケのパンティを履いているんだから…凄い目の保養だ。
「あの…ツバサ様…これで良いんですか…」
「嬉しいけど…マヤさん、直ぐにターニャさんをお風呂に連れていって…僕は窓を全開に開けるから!」
「うっ、これは了解しました!」
「あっ、ゴメンなさい…私…」
ターニャさんはマヤさんがお風呂場に連れていった。
部屋中、まるで生ごみの集積所の様な卵の腐ったような臭いがしていた。
ただ、染みつく様な物では無く窓を開けたらすぐに消えていった。
『性的な興奮をしたら臭い汗が出る』
よく考えたら『触ったら』じゃない。
こうなるのも当たり前だよな。
「ご主人様!すぐに来てください!」
何かあったのかな…
直ぐに僕はお風呂場に向かった。
「どうかしたの?」
「ご主人様…こうすれば良いんですよ、これなら見れますよ、ほら…」
「これ、本当にツバサ様は見たいのでしょうか…」
お風呂場で僕が見たのは、シャボンだらけの下着姿でばしゃばしゃとマヤさんに水を掛けられているターニャさんの姿だった。
「よく考えたら臭いのは汗だけなんですから、こうして体を冷やしながら洗い流しちゃえば良いんですよ…どうです?」
黒の下着が水でピッタリ貼りついて…エロくて凄いけど。
「いや、大丈夫…今日は早目に寝ようか?」
変な性癖に目覚めそうで怖い。
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