第23話
俺は思った。思ったことを言おうと思った。
「俺は味方したい」
「えっ?」
悪口言われて、それを慰める言葉も、状況を変える言葉もどうせ俺には分からない。
なら
「俺は、冬ちゃんといたい」
「・・・っ?」
冬ちゃんは驚いた顔で俺に見て来る。
「俺は冬ちゃんの良いところ知ってる!!」
「良いところ?」
「冬ちゃんは優しくて、辛い人によく一緒にいる。泣いている人を励ましてる。楽しいこといっぱい知っている。だから、」
「・・・だから」
冬ちゃんは、俺に聞いて来る。だが答えがでない。言葉が
「負けないで!!」
「・・・負けない?」
「そう、家族にも辛いことも友達にも(塾のようないじめも)。冬ちゃんは凄いもん、だから負けないで!!」
「・・・」
俺は必死に答えた。本当は冬ちゃんとは全然話したことないし、よく分からない。楽しそうに、友達に優しそうにしているところを見ているだけだった。そうだから、知りもしないことを言い続けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます