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出社の日、上の階に行ったらあこも居た。

あこがクリスマスの予定はって聞くから、今プレゼントを探しているけどいいものがないと言った。

じゃあ一緒に探そうよと言う。

そうねとさきおも賛同した。

これから行くってどう?ということでとんとん拍子に進んで街に三人で繰り出すことになった。

こんどは服の店にも何の抵抗なく入ることが出来るからこの間入らなかった店にも入った。

二人はしおみさんのことを知っているからこれはどうとかこれ似合いそうとかいろいろアドバイスしてくる。

僕はそれを見て、それは可愛すぎるなあとかちょっとはでかなあとかなかなか同意しないでいた。


「結構厳しいのね」とあこが言う。

「それだけしおみさんのことを大事に思ってるからだと思うわ。」とさきお。

さきおがしおみさんの服を選んでると思うと何かじんとくるものがある。


この間とは別のアクセサリの店にも行った。

「しおみさんはアクセサリとかつけてないよね。だから狙い目じゃない」とあこ。

「そうね。あまり持ってないのかも」とさきお。

確かにほとんど持っていないはずだ。

でもそもそも付けるのが好きじゃないとも言っているから、ステージ用とかかなあ。

「ステージ用にいいのがあれば」と僕。

「だったら派手なのもよくない?」とあこ。

「ステージ映えするのもいいかもね。」とさきお。

そこの店は高い宝石とかではなくリーズナブルなアクセサリが多かった。

赤いバラをモチーフにしたような小さなブローチをさきおが見つけた。


それを僕に見せて首かしげてどうってしぐさをした。

なかなかいいなと思った。と同時にそのしぐさにどきっとした。

いまだにさきおにはどきっとする瞬間がある。

「いいかも」ちょっと声が震えそうになった。


あこがどれどれと言って、ステージ用にいいかもと言った。

そんなに高いものじゃなかったからとりあえずそれを保険にしてプレゼント用に包んでもらった。

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