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確かにセクシー系だった。
僕より年下に見えなかった。
ちょっと化粧が濃すぎないかと思った。
見た目はもう既にジャズシンガーだった。
くすんだグリーンのタイトなワンピースを着ていた。
青田の目が動いた。
あこはなみちゃんと呼んだ。
「初めまして。」静かそうな印象だ。声は低めだ。
「この方は青田さん。なみちゃんと同い年。」
青田が立ち上がり45度お辞儀をして
「はじまして青田です。」と言った。
なみちゃんの目が見開き新種の生物を見るような目つきになった。
少し間があった。
そしてみんなが笑った。
あこと目が合い、うなずきあった。
青田の目に叶ったのかもしれない。
なみちゃんは青田の隣に座り何か話しかけた。
青田がまっすぐなみちゃんの方を向き何か言っている。
会話している。
いいぞいいぞと思った。
ファーストのあとも会話していた。
青田はいつものようなでかい声ではなく小さな声で会話している。
ちゃんとできるじゃないか。
ひとまず今回の作戦は成功したのかもしれない。
帰り道、なみちゃんは僕の所に来て話しかけてきた。
物おじしないタイプだ。そういうところも名波さんに似ている。
どうも青田は僕のことを話したらしい。
僕にそのことを聞きに来た。
しおみさんのことだ。
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