第18話 増える家族

 数日間、農業にほぼ専念し空いた時間にマロンと遊んだり村の人と交流して過ごした。

 そして、収穫したものを都度売却し資金を順調に貯めていき十分余裕のある額になった。

 そのため、さっそく牛の子供1頭、ひよこ2羽を購入した。購入した子は牧場にある動物小屋と鶏小屋それぞれに送ってもらった。


 それでは早速名前を付けよう。まずは牛の子。いつものように食べ物にしようか。牛乳……乳製品……クリーム……リム、よしリムと名付けよう。

 次にひよこ、卵……卵料理……プリン、こっちのひよこをプリンにしよう。もう一羽は……カステラ……ステラ、よしステラだ。


 名づけも終わったのでご飯を上げよう。リムは牧草を餌箱に入れればOK。鶏用の餌は小屋に設置されてた機械にトウモロコシをいれたら餌にしてくれたのでそれを餌箱に入れる。


 これで牧場って感じになってきたな。まあ、まだ子供だから畜産物は取れないけどじっくりやっていけばいい。


 それから畑作業がまだ残っていたので終わらせる。今日まで水魔法を使い続けて大分使い勝手は変わってきている。水の出せる量を調整できるようになったことと出せる時間も数分ほどになった。


 今日はこれ以上することはないのでマロンと遊ぶことにする。せっかくなのでリム、プリン、ステラと会わせて一緒に遊ぶか。


 そしてマロンを動物小屋に連れてきた。


「マロン、新しい家族だぞ。リムっていうんだ」


「……」ジー


 マロンは初めて牛を見たのかじっと見つめて動かない。


「リム、この子はマロンだ」


「ンモー」


 リムはよろしくって言っている気がする。何となくこのゲームは動物から感情っぽいものを感じる。気のせいかもしれないけど。


 それからマロンはリムの背中に飛び乗った。リムは気にしていないのかじっとしている。


「ぷぅ」


 なんとなくマロンが『私が上よ』みたいな格付けするような行動に見えなくもないが仲良くやれそうでよかった。


 そのあとはプリンとステラに会わせた。


「この子がプリンでこの子がステラ」


「ぷぅ」


「この子がマロン」


「「ピヨピヨ」」


 今度は特に臆することもなくマロンは胸をはって一鳴きする。プリンとステラも特におびえてはいないので大丈夫そうだ。


 さてそろそろ時間なのでこれからのことを整理して終わろうかな。一応次の目標については決めてある。次の目標は家の増築である。家の増築にした理由はマロン用の遊具を設置するためだ。この数日間あまり見に行けていなかった大工屋、鍛冶屋に行ってみた。鍛冶屋は農具くらいかなって思っていたが発酵食品や薬品などを作れる生産用の機械も作ってもらえるようだ。これも欲しいなと思っているので後々買う予定だ。


 そして大工屋では家の増築、家具の購入ができるがその中にペット用遊具があったのだ。目を付けた遊具は滑り台だ。ペット用なのででかくはないがそれでも今住んでる場所に置けるような大きさではない。そのため、まずは家を広くする必要があるのだ。


 家の増築は何段階かに分けられてるらしく、1段階目はリビングが広がるらしい。2段階目以降は部屋数が増えたりするらしいが一人暮らしだし急ぐ必要はなさそうだ。そして必要資金は50,000G。資金はこのまま農業を続けていけば貯まるので特別なことはしなくていいかなと思っている。

 そのため、いつもとやることは変わらない。いつもの日課にリムたちのお世話が追加されたくらいだな。よし、今日はログアウトしよう。


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