第11話 可愛さの権化
早速釣りをしに川に向かい到着する。マロンを頭に乗せながら釣りを開始する。
30分ほどマロンはおとなしく頭の上にいたが飽きたのか俺の周りをうろちょろしている。
「マロンにおもちゃとか用意できないかなー」
俺が常に構ってあげられるわけではないしいくつか欲しいな。雑貨屋にそれっぽい物があるか後で確認しよう。
そんなことを考えつつまた少し経つと流石に構わな過ぎたせいか、俺に体当たりしたり膝の上に乗って頭をこすりつけてくる。
「すまんすまん。よ~しよし~」
俺はマロンの頭をゆっくりと撫でる。
「ぷぅ~、ぷぅ~」
マロンはぷぅぷぅ言いながら気持ちよさそうに目を細めている。
「………………」
…………はっ。なんだこの可愛い生き物は。一瞬意識を飛ばしてしまった。
俺はそれからしばらく意識をしっかり保つよう気張りながらもマロンを撫で続けていた。
「すぴー、すぴー」
気がつくとマロンは寝てしまっていた。このまま釣りをしてマロンを起こすのは悪いと思ったため釣りを中断する。
いや~、このマロンの寝顔は永久保存ものだわ。ん?そうだ、スクショ撮ろう。
俺はメニューからスクショ機能を呼び出す。
このゲームのスクショ機能では1人称モードと3人称モードの2つの撮影方法を選べ、1人称モードは自分の視界の景色を撮影できる。3人称モードは宙に浮くカメラが出てきてそれを操作する形で撮影する。カメラの写りを確認するときに視点を切り替えることでカメラに自分の意識が移るような感じになる。
今はマロンの寝顔を取るだけなので1人称モードにする。
うん、かわいい。ふがふがと動くお鼻もぴくぴく動くお耳もとってもキュートである。
それからいくつもスクショを撮り満足した俺は特にやることもないため、そのまま寝転がりいつのまにか意識を飛ばしていた。
・
・・
・・・
ぺろぺろ……。
「ん?…………」
目が覚めると俺の顔面をぺろぺろとなめているマロンの姿が目に映る。
「おはようマロン。・・・今何時だ?」
時刻を確認すると17時を少し過ぎていた。
「マロン、家に帰るか」
「ぷぅ!」
俺はマロンを抱え帰宅することにした。
そして村に到着し、自宅に向かっているときにエミリーちゃんと遭遇する。
「お兄さんこんばんは。あっ!うさちゃんっ!かわいい!」
丁寧に挨拶をしてくれたエミリーちゃんはマロンを見ると目をキラキラと輝かせていた。
「こんばんはエミリーちゃん。マロンって言うんだ。マロン、彼女はエミリーちゃんだよ」
「よろしくね!マロンちゃん!」
「ぷぅ」
それからエミリーちゃんはマロンを撫でたいと言ってきたためマロンに確認し嫌がっていなかったため、撫でさせてあげる。
「あ、そうだ。エミリーちゃん。マロンに使えるような道具やおもちゃとかってあるかな」
「えーっと。……ペット用品は数は多くないですけどいくつか置いてますよ」
「そんなんだ。ありがとう。また、明日あたりにでも伺わせてもらうね」
「はい!お待ちしてます!」
それからエミリーちゃんは夕食のために帰宅途中だったのでそのまま別れ家に到着する。
「はい、マロンご飯だよ」
Tipsによるとご飯は1日1回でいいらしいがペットが食べるのであれば多くあげても悪影響はないらしい。気分的に食べるのであれば食べさせたい。
俺はリンゴを取り出しマロンの口元にもっていく。マロンはおいしそうにシャクシャクとリンゴを齧り始める。
うん、普通に食べてくれているようだ。でも流石にリンゴばかりだと飽きるかもしれないから別の物も食べさせてみたいな。明日にはカブが収穫できるしカブも食べさせてみようかな。
ご飯を終えたマロンと少しの間じゃれついた後、ログアウトすることにした。
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