第9話
令和3年4月・・・。
「何をなさって居るのですか先生?」
桜の落ち葉を拾い一枚一枚丹念に観て背中の竹かごに放り込む篠山を観て大原輝(おおはらあきら)は訝しげに篠山に聞いて見た。
篠山先生は科学者だったのでは?
変異コロナ株の撲滅に成功した篠山は、一躍脚光を浴び、知る人ぞ知る。
気の置けない人物に世界各国からの学術会議に講演を依頼される事もしばしば、全盛期のピンクレディーの様に移動時間が休憩時間となっていた。
「それにしても先生櫻守とは知りませんでした。」
どうかお身体をご自愛下さい。
と言ってコロナのラボへ消えて行った。
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