第5話 お見合い
扉を開けると母 山田鈴が立っていた。
「崇!悪いけど一晩泊めて、会社の歓送迎会で酔っぱらっちゃて、帰るの億劫で、上がるよ」とずけずけと巨体を揺らし、エイリアンのいる席、エイリアンに腰を降ろした。「ムギュー」エイリアンは潰れてしまい、緑色のゼリー状の液体に変わった!
崇は焦った。「母さん!本当に泊まるの?今日彼女が来る予定だったら、どうするつもり?」と聞くと
「彼女⁈アンタに彼女なんかできる訳ないでしょ!
アンタに彼女ができたなら、私はドバイの奥方になってるわ」と大笑いした。
崇は、あながしハズレではないので、なにもいいかえせなかった。
潰されたエイリアンは、ゼリー状が形をなし元のエイリアンに戻ってはいたが、崇の母に怯えた様子である。
母は「どうせね、彼女なんかいないんだから、お見合いの話持ってきたのよ、28歳の美人よ!だけど条件が婿養子なのよ!まあ、お父さんも死んで守るってほどの墓でもないし、写真見る?綺麗よ〜あっだけどアンタ定職に就かないとダメよ、もう俳優になるなんて、お辞め」と見合いを勧められた。
エイリアンを見ると首を傾げている。
崇にとってはあながち悪い話しではなかった。
それにより、自分が半年後に死ななくてすむのであればだった。
「わかったよ、お見合いするよ」そう崇は返事をした。
「あっわかった、明日返事するねあ〜なんか眠たくなってきたから、寝るね、写真カバンの中だから」
そう言って母は眠ってしまった。
崇は、カバンから写真を取り出し見ると、本当に美人だった。
崇は、「エイリアン!〝大宇宙教則本〟見せてくれ、これで俺は死なないはずだ!」と詰め寄った。
エイリアンは、「ムギュー」とまだ完全に回復してない様子でページをめくる。
山田崇 2024年3月29日死亡 母、妻に看取られる
と変更されていた。
崇は呆然とした。エイリアンは母に蹴りを入れた。
翌朝
崇は、母に見合いの話しは断った。
まだ俳優の夢がすてられないと告げた。
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