2020/04/19

群青、夕陽、憧憬。


どんなに綺麗だと感じる表現でも、

僕の今の気持ちを

正確に表現することはできない。


いつもは逆だったのに。


言葉の綾に追い付けないのが、

僕の心であるはずなのに。


神経伝達物質に支えられた

生理現象ではない、

数値にもできない、

言葉にもできない、

ひどく主観的な感情。


だから、僕のすべては君に伝えられない。


ごめんね。


「ありがとう。メィ姉、好きだよ」


僕にとって充分ではないけれど、

この世界とそこで生きる君にとっては

充分になってしまう言葉。


でも、それが

人間として生きるっていうことなんだよね?


暗い淵が広がり始めて、

僕の身体を死へと引き摺り込む。


浸かった途端に

微睡みが

手足から、

胴体から、

脊髄から、

脳幹に染みていく。


死が囁く心地良い恐怖に溺れてしまう。


僕は、メィ姉とひとつになれた。

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