第3話 理解

"この女と 二人っきりな事に 吐き気がして たまらなかった......どうにか ここから 抜け出す方法がないか 模索するが......何も無さすぎて 無理な事に 気づく......諦めもあってか 話しかけた


「あんたさー 僕をどうする つもりなの?」


「......どうする つもりもない!渉さんに お前を 頼まれただけだ......頼まれなければ 別にお前が どうなろうが どうでもいい......」


なんだ この女は


「さっきからさー 訳分かんないんだけど 渉さんとか 頼まれたとか......なんなの?何を頼まれたのか 言ってよ!ちゃんと 説明しろよ!じゃなきゃ ただの拉致じゃん!警察呼ぶよ」


女は コートの ポケットから タバコを取りだし


火をつけ ゆっくりと吸い上げ


吹かした......


「お前のナンバーは 1971 全ての人に ナンバーがつけられ 管理されてる......それが どうゆう事か 分かるか?全ての家庭の情報を 政府は管理できる......お前がこの先 何をして どこで暮らそうが 働こうが 誰と一緒に なろうが 全て政府が把握できるのが 今の状況だ......これから もっともっと 状況は最悪になる。今、この国は 独立国になった!しかし 国際で認められた訳ではない!ただの 独裁政治だ!全ての人の 真意なんて 存在しなくなる......お前の父親 渉さんは この腐った国を 変えるために 反逆者となって 戦ってる.....そして お前の母親 春さんも......私も......


お前に この意味が 分かるか?全ての親は せめて 子供たちだけでも 守りたいと願い 死んでいく


守りたくても 守れなく 死んでいく......春さんの 死因が 事故だと 思ってるのは お前だけだ..


お前に 普通の暮らしを させるために 渉さんや春さんが どんな傷みを 抱えてきたか 想像するのも 苦しい......ただの奴隷に なっていく民衆はやがて 恐怖に支配され 耐えきれず 死ぬか それとも マインドコントロールされて 本当の自分を


見失うか それでも 反逆者となって 戦うか.....


お前が 決めろ......」


なんだ なんなんだ......僕は 一瞬で真っ白になった......現実なのか?夢なのか?ドッキリなのか?僕は ただただ 呆然と言葉を 失った...


そして これから どうなってしまうのか 分からない恐怖で 体が勝手に 震える.....


僕には 母さんが 死んだ事すら......悲しんでる暇が ないのか......だいたい 母さんを 見てないのに 実感さえない......


「なぁ......母さんは 本当に 死んだのか?」


「......確認が できない......全身が焼けて


見ただけじゃ......分からない......DNA鑑定待ちだ......私の知り合いに 頼んだ......」


「じゃ 死んでないかも しれない......じゃ どこに?」


「......もし あの死体が 春さんじゃ なかったら......拉致されてる...」


「じゃ 生きてる 可能性も あるって事だよね!」


「あぁ」


「分かった!僕も 戦う!母さんを 助け出す!」


「生きてる事が 100%じゃない事は 頭にいれとけ」




僕はこの時 安易に 理解したようだった。"


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