第13話
さて、セカイについてわかったことはパワータイプで月光斬剣を持ち超絶優しい人だったことがわかった。
細かい部分を聞けば聞くほど私がセカイを演じるのは無理そうなので記憶喪失という設定で私のセカイを作り上げていくことにした。
しかし、明日から始まることになった魔王討伐が心底イヤだ。
ミナから話を聞いたときはセカイが世界を救うのだとか意気込んだけど直面するとやりたくなさが増してくる。
でも私たちがやらないと世界滅ぶみたいだし、やるしかないし、記憶無いとはいえ、私だけがセカイのパワーを持っているわけだから……。
やりたくないけどやれる人が自分しかいないから戦うしかない状況が自分に起こるとは思わなかった。
私は死ぬまでモブだったのに、死んでから主人公になるなんてこれが転生なのか。
ひょっとしたらセカイも自分の力に悩んでいたかもしれない。
強大な腕力を持ったせいで忌み嫌われ……いや、セカイは嫌われてはいなかったわ。
セカイは別に悲しきモンスターというわけではない。
友達との約束が急にダルくなる現象を起こした私が現実逃避をしているだけでセカイもきっと悩んでたと巻き込むのは良くないよな……うわ、自己嫌悪が襲ってくる。
お腹痛いって言って休もうかな。
午後から行こうかな。
人間て死んでも変わらないんだな。
逃げることばかり考えている。
自己嫌悪が私を襲う。
見た目はセカイだけど中身は世界なのだ。
急に強くなるわけではない。
「私はどうしたら……」
――……セカイ、ひとりで悩まないで。
声が聴こえ私はベッドから起き上がり部屋の入り口を見た。
ミナかと思ったからだ。
――セカイ、何やってるんだよ。僕だよ。
「僕」って誰だ? 今まであった中で僕の一人称いなかったぞ?
――あ、そうか記憶喪失なんだっけ?
突然、月光斬剣が倒れた。
月光斬剣が青白く光、青白く光輝く青年が現れた。
『僕だよ月光斬剣だよ』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます