櫨紅葉(はぜもみじ)晩秋

天に月深緋に沈む櫨紅葉 

てんにつきふかひにしずむはぜもみじ



冬が近づきつつある秋の日

蔭で縁取られた石垣を映すおほり水面みなも

赤い影を落とす櫨紅葉はぜもみじ

白日のもと

その葉叢はむらは燃えるように赤い


日が落ちると

熱が冷めるように夜の色と同化して

月を待つ


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16817330655770164488


▶櫨紅葉

*ウルシ科の植物

*江戸時代にロウソクの原料として盛んに栽培されていた。

*ハゼノキを用いた染色に天皇の位当色である「黄櫨染(こうろぜん)」がある。

*9月~11月に用いる襲(かさね)の色目の名。表は蘇芳(すおう)、裏は黄色。


▶深緋(こきひ・こきあけ・ふかひ)

茜草だけで染める緋色と比べると、茜草に紫草を上染する深緋は染色に手間がかかる。

それだけに味わいのある色味であるとも言える。

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