建国

その夜 マリアート マリア ブラウさん 等を集めてブラドを紹介し 

今後の事について話し合いをした

「今 住人は2000人を超えているし 更にエルフの150人も移住

してくることだしこの地に名前をつけようと思う」

俺がそう提案すると

「いっその事 国を興したらどうじゃ この地は何処にも属しておらんし」

マリアートが軽く言う

「そう軽く言われてもなあ」

「ここは 元々ラリウス王国という名の国があったのじゃ お前がその末裔

とでも名乗って再興したという事でいいじゃろ」

「そんな適当でいいのか?」

「いいのじゃ それに私が居るから聖国を語っても 誰も文句は言いまい」

確かにマリアート教の信者はうなぎ登りだった

「では ラリウス聖王国にするのじゃ もちろん国王はクロノスじゃ」

「それは 素晴らしい」ブラドが拍手をしながら賛同する

「まあ いいんじゃない」マリアも賛同する

他の面々も現人神の提案に意見などないという事で建国という一大事業が

軽く決定してしまった

国という概念だけでも整えようとベスに宰相をやってもらう事にした

彼女の意見で既に住宅区 商業区と整理されている 春からは税金も課する

ように手配しているらしい


住民からの意見で外壁を作る事になった 結界で覆われているとは言え見えないので

目に見える壁があれば安心感が持てるらしい

土魔法が使える住人と俺で結界の内側ぎりぎりのところに外壁を作っていく

そうこうしているうちに エルフ達が移住してきた

彼らは国の北側にある森の中に家を建て 暮らし始めた

エルフは魔法が使える者が多いので 外壁を作るのを手伝ってもらう

閉塞感があるので北には外壁は作らないで欲しいとの意見があり北側だけは今まで通り

結界だけで防御することになった

東西と南だけ外壁が出来上がった

そして ついに各国に対し建国の書状を送った

最初に反応したのは ジョイ王国だった 彼らは騎士団を率いて南門に攻めて来た

騎士団率いるのは あの食料を強奪しようとした貴族であった

「我がジョイ王国は建国を認めない 大人しく我が国に従属しろ」

この前と同じ様に門の前に椅子を置き足を組んで相手をする

「聖国に刃を向けると言うなら それなりの覚悟があるんだろうな?」

騎士団は1万ぐらいか 数で押せば何とかなるとおもっているんだろうな

「一回だけ忠告しておく 国に大事な家族や耕す畑を持っている者は明日までに帰れ

そして 二度とここに来るんじゃない でなければこうなる」

ドーンと音と光が炸裂し 貴族は馬ごと黒焦げになった

「それと 次に兵を送ってきたら王国を破壊する この事は国王にもちゃんと伝えとけ」

固まった騎士団を見回し にっこりと微笑む



次の日 南門に行くと2~3人のグループが何組かいるだけで 殆どの兵士がいなくなっていた

「どうした? 玉砕覚悟か?」俺が笑って言うと

一つのグループの代表らしき奴が近くに来て

「いえ 違います 戦争ばかりの国にいるより こちらに移住をさせて頂きたいのです」

「そうか 分かった 先に行っておくがこの国には貴族なんてものは存在しないぞ皆公平平等だぞ じゃあ この門を潜ってみろ」

13人の内一人だけ結界に弾かれてしまった 何か良からぬ事を考えているのだろう

「ちっ!」舌打ちすると奴は脱兎の如く逃げ去った

「一つ言っておくが 中に入れたといっても つまらない考えを持った途端にここから放り出されるからな」 皆 青ざめて頷く

それからひと月もせずに 再びジョイ王国が2万の兵で攻めて来た

今回はおれの後ろにマリアートがフヨフヨと浮かんでる

「神の言葉を蔑ろにするとは 思い知るがいい」

兵達が一瞬で消えた 「何をしたんだ?」後ろを振り返って聞くと

「なに 皆揃って王都に帰ってもらっただけじゃよ それよりも忠告を無視されたのじゃ こちらも宣戦布告といこうではないか」

次の日 俺はブラドに乗って王都に向かった 王都上空から拡声魔法を使い

「王都民に告ぐ ここの王侯 貴族は俺の忠告を無視し 我が国に戦争を仕掛けて来た よって 七日後に王都を殲滅する 罪なき民は 七日以内に他の街に行くなりして王都を出るがいい 

王族 貴族は王都を出ることは許さん もし出ようとすれば天罰が下るだろう」

と宣言した



七日後王都にブラドと行くと王都内には平民はおらず 南門に黒焦げになった貴族の死体がいくつかあった

「ブラド やってくれ」そう言うとブラドは街を隅から隅まで焼き尽くした 町は燻る木片と瓦礫の山になった 

瓦礫の中から何人かがはい出て来た 王侯 貴族でも心正しき者はマリアートの加護で無事だったらしい

「生き残ったお前らには ここに心正しき者の為の国を作る責務がある 覚悟を決めて取り組むように」


ジョイ王国を破滅させた噂は瞬く間に周辺の国にも広がり俺の国にちょっかいを出してくる国はそれ以降無かった


寄進を求めてやってきたコイデ神教徒の中でマリアートに跪いて祈りを捧げていた者達が南門の側に教会を作るのを願いでてきた

マリアートが別に構わないと言うので許可する その周りに交易所も作られ他国との交易も盛んになった


「やっほー クロノス久しぶり」能天気な挨拶と共に来たのは冒険者ギルドの受付をしていたマミエルだ

「この国にギルド支部を出すことになったからよろしくね」

「なんだってこんな出来たばかりの国に支部を出すんだ?」

「黒龍を従えるブラックⅭがいるのに 放って置く馬鹿はいないわよ だから 何かあったらお願いね」


国としての体をなしてきたようだが 何か俺忙しい どうにかしてくれ

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