第8話 人猫の生態

「ふむふむ・・・」


私は、「発情」のメカニズムを知るため、王立図書館で調べることにした。


この王立図書館の蔵書量がすごい。


ありとらゆる本が納められており、お目当ての本がどこにあるか判らないなら、索引コーナーのパソコンで検索でき、関連書物さえもわかるようになっている。


また、電子書籍形式の本も、ダウンロードできるようになっている。


ただし、コンピュータは、「魔法力電算機」、

パソコンは、「個人用端末」と、リシテアールでは表記される。


基本的に、「人間」全てが、種族ごとに薬の効き目が違うらしいけど、効果は同じらしい。


「うーん・・・大先輩ライテスなら疑問にもつんだろうなぁ・・・」


だって、あるじゃないか。


地球でも、人間族が食べて平気な玉ねぎで、犬がお腹を壊すって・・・


「にゃーっ!

すげぇにゃーっ!

我が一族の「初代以来」の天才彫刻家エメラインの作品は!

クリスタル神像の数々も、すごいけど、クリスタル・スケルトンがイケてるにゃーっ!」


なんだそれは。


見ると、ナキが、「ミケランジェロ一族・彫刻家」と検索していた。


スケルトン像って、なんだそれは。


透明で、クリスタルだからスケルトンなんであって、骸骨スケルトンをなぜつくるか?


人猫ワーキャットは、ヘンな奴が多いが、一際ヘンな奴を輩出しているのが、ミケランジェロ一族だ。


ライテスの時代には、ノワール二世と一緒に、大魔王と戦い、大魔王当人に「なんで商工ギルドマスターが、こんなに強いんだ!」って言われた奴もいるとか。


「理解できん・・・」


そう・・・


この世には、いくら頑張っても理解できないモノが存在する。


前世でも、わかりきっていたことではないか。


さっそく私は、「薬学覚え書き」という本を手に取った。


ライテスも言っている。


「地球で、「万能の天才と呼ばれた芸術家ダ・ヴィンチは、「錬金術師」「科学導師」「天文学者」「神学者」であった」と。



話だと、騎馬像を造るために人間と馬の死体を解剖して、内部構造から研究したという。


つまりは、今の私は、人猫ねこだ。少なくとも、それをしらなければ、お話にならない。


まだ、スタート地点だ。


がんばるぞぉっ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る