耳鳴りを潰す雑踏クリスマス




 耳鳴りを潰す雑踏クリスマス


 独り身のクリスマスイブは切ないものです。寂しくて近所の湖辺りを徘徊していると、静か過ぎて耳鳴りがしてきます。

 で、そういえばクリスマスがキリストの誕生を祝う聖なる日なのだ、と思い出したりするのです。

 そういう静かな気持ちでやっと帰途に着こうとしていたら、県道を、暴走族どもがやたら元気に爆音を撒き散らしながら走り抜けていったりします。

 帰り道も、祭日の雑踏であらゆる音が溢れて、さっきまで耳鳴りがしていた事を忘れてしまいそうになります。

 あれ? なんか目から水が。塩味。


 季語は「クリスマス」です。


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