草花を詠む

百日紅さるすべり 褪せてひさしき 色目にも 朱陽しゅようせつの 去り際を見む

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朱陽の節:夏




金木犀きんもくせい すがたかたちは 見えねども 馥郁ふくいくたりて 秋は来にけり

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馥郁たる:良い香りが漂っている




川べりを いろふ草木も 変はりけり しげりあふもの キクイモの花

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いろふ:美しく彩る




今もなほ ことにさきはふ 秋萩あきはぎは 鳴くさおしかの こゑを聞くらむ

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ことにさきはふ:古都にさきわう(栄える)と殊に咲きわうの掛け言葉

さおしか:(若い)牡鹿




しらなみの 関をも越えむ こむらさき 秋の川辺に そよと揺らるる

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白波の関:関門海峡(紫式部の娘が詠んだ「関の白波」に寄せて)

小紫:ムラサキシキブ属の低木

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