(二)-3

 僕はどうしたらいいかわかならかったので、彼女の目を見つめ返すしかできなかった。

 すると彼女は目を閉じた。そして顔を僕に少し近づけてきた。

 僕の心臓がドキドキした。口の奥の方から勢いよく飛び出すのではないかと思った。だから、ツバを飲み込んで出てこないようにした。そのとき、自分の唇が乾いていることに気づいた。

 僕はドキドキしてどうしたらいいかわからずに、彼女の顔から目を背けて周囲を見てみた。

 どうやらここは、デートスポットらしい。周囲にはカップルばかりだった。


(続く)

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