『紅時雨/ベニシグレ』

シトシトシトシト、止まずに降るは雨よ。


殺伐のした空気、それが心をキュッと締める。


スパッと何か斬った音、小気味や良い音がした。


雨音に紛れる事などなく、響きこちらへ伝う。


それはね、紅くて赤い雨、そんな血の雨よ。


少女が浴びている、それはベニシグレ。


真っ白な服は、血糊が染めていた。


少女の周りは死の海、少女は哀の顔をする。

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