第94話 勇者の慢心

4人の職業持ちの中で多分1番強いのは勇者山本さんだろう。

相手が舐めてる内に、俺のスキルがバレる前に決着を付けたいけど、どうしよう。


毎回、山根さんがルーガ語で勇者の日本語を皆んなに通訳しているが、リベルさんが反応し出す。

リベルさんが勇者に向かって怒りながらルーガ語で話す。

「クソォが!俺達を舐めやがってよ!、1対1のタイマンでボコボコにしてやるよ!!」

「アイス、センベー、俺の順番で行くぞ」


山根さんが日本語で反応

「リベルさん1対1で勝負なんて無謀です」


勇者山本さん

「1対1で戦ったら勝負にならないだろ、3人一遍に掛かってきて良いんだぜ?」


リベルさんがルーガ語で大声で怒りながら答える

「うるせぇ!アイス分からせてやれ!」

リベルさんが俺の尻を軽く蹴ったように見せて前に出す。


この人達、即興の芝居を澱みなくやって俺と勇者を1対1で戦わせる舞台を作った。

それに俺が3人の中で1番雑魚のような雰囲気になっている。

俺は理解するまで10秒以上掛かったので、ボートから降りて地面に棒立ちで困惑した表情をしていた。


勇者山本さん

「おいおい、魔力あってもスキル無い雑魚じゃ瞬殺だぞ」

「オッサンさぁ、1番強い奴に俺の力量を調べる道具にされてんぞ」

「あの異世界人は俺のスキルを見たいのかも知れないけど、スキルなんて使わないで拳で殺してやるよ(笑)」


なるほど、、リベルさんと山根さんありがとう。

勇者山本さんが、俺をめっちゃ下に見てスキルを使わないで戦ってくれるみたいだ。


普通だったらオリハルコンで拘束した後は、無力化したら殺さないけど、勇者さんは初撃で殺さないと後で俺が殺される可能性もある。

やるしかないよな、、


普段武器を持たず、鎧も着てない俺は、ボクシングのファイティングポーズをして勇者山本さんに近付く。

敵からも味方からも笑いが起きている。

緊張した殺し合いなのに、余程俺の構えの格好が不細工なんだろうな。


勇者山本さんも笑ってる、俺のパンチを寸前で避けるか受けてから攻撃するつもりみたいだ。



俺の遅いパンチが触れる寸前に、水魔法で山本さんを凍らせる。

凄い、山本さんを一気に凍らせたのに、一瞬で山本さんは凍らせられた身体からオーラのような光を放ち、身体を元に戻した。

瞬時に鞘から剣を抜いて俺を斬りつけてきた。

剣が反射スキルで弾かれ山本さんの手から離れる。

剣を弾かれた痛みで硬直してる山本さんに触れて、山本さんの口の中へ火魔法で熱した流体にしてるオリハルコン合金を流し込む。

俺に光魔法だろうか?、レーザー光線のような熱線を当ててくるが、反射されて山本さんの腕に穴が開く。

口に流すと同時に距離を取って逃げられないように、山本さんの顔以外の身体全体をオリハルコンで覆い、重しと拘束に使う。


山本さん

「あ、ああぁ、ああああ」

叫ぶ事すら出来ずに呻き声を漏らす。


回復魔法と光魔法を使える山本さんだけど、溶けたオリハルコンを身体に入れられて、出すことも出来ず身体を回復させても永遠とオリハルコンを熱せられて、踠きながら目から血が出て目が弾け飛んだ。


勇者の危険な状態を見て、聖女と聖騎士と賢者が魔法やスキルで俺を攻撃してくる。

光魔法、雷魔法、火魔法、風魔法、闇魔法、色々な剣術スキル、

3人は持っている最大の攻撃を俺にしてきてる。

反射スキルで俺には全くダメージが無い、逆に攻撃してきてる3人は、一部の攻撃が反射されて自分達にダメージが蓄積している。


鑑定で勇者が死んだのを確認したので、3人を拘束する為に近付いて行く。


いつの間にか周りで俺の戦いを見ていた人達全員が、戦いを始めて殺し合いをしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る