第60話 残酷な結末

あと少しで街に着きそうだ。

明日には目標の街だろうけど、ちょっと期待は低くなっている。

今までに移動途中で会った人は襲ってきたプロトマト人だけだ、ゴブリンには何度か襲われた。


ナチャチャさん

「街は人が住んで無さそうだね」

ナチャチャさんも期待してたから残念そうだ。

でも街から東に50キロ行けばプロトマトの首都なので、そっちに全員移動してる可能性は高い。


アケミさんはプロトマトの女の子達と一緒に寝るようになってる。

アケミさんと女の子4人の家をオリハルコンで作って、そちらで寝泊まりしてる。

アケミさん

「女同士の方が気楽だしね、男が居たら休まらないからね」


アケミさんは4人の女の子が、他の15人の男の子達より立場が低そうだったから、

多分引き剥がして、守って上げてるんだと思う。


俺とセンベーさんとナチャチャさんで1軒、

他のプロトマト人15人の男の子の家を2軒、

4軒の家を作って寝泊まりしてる。


食事は全員で集まって食べてるけど、やっぱりグループに分かれての食事にはなってる。

ナチャチャさんは初めの方でプロトマト人のグループに結構話し掛けてたけど、

今は俺達と食事をして、プロトマト語を喋らなくなっている。


ナチャチャさん

「難しいね、アケミさんは嫌われてないけど私は嫌われてるね」


無理したら今日中に到着するけど、明日は一日中探索するから街の手前で休み、明日に1日頑張ろうと話して、

俺が家を作っていき、それぞれの家に泊まる。


アケミさん

「風呂に入ったら皆んな可愛い子になってるよ、探索前にさ、朝早めに起きて服を用意してあげてよ」

「可愛い服を着たからって、直ぐに変わるもんでも無いけどさ、少しでも辛い現実を忘れられるのよ」


俺は服を出すことは出来るけど可愛い服が分からないので、アケミさんと選ぶ約束をして寝ることにした。

30分早く起きればいいやと思ったら2時間前に起きてと言われて、ちょっと面倒だなと思ってしまった。



その夜に熱帯夜みたいな熱さと息が出来ない煙で起きた。

直ぐに反射スキルと回復魔法を使ったので咳き込むのは治ったけど、センベーさんとナチャチャさんは苦しそうだ。

回復魔法を使っても、この煙がまだ2人を苦しめてる。

多分熱さも凄い事になってるみたいだ、オリハルコンの家を冷却して空気が入ってきそうな窓や扉を塞いでいく。


煙がただの煙じゃ無さそうで、少し吸っただけでも直ぐに2人はまた苦しくなっている。

部屋を密閉してるから死ぬ事は無さそうなので、我慢して貰って俺は外に出て様子を見てくると伝える。


外に出ると、炎と煙で視界が遮られる。

大量の水を放出して炎を消し、煙を炎と水を混ぜた爆発で吹き飛ばす。

矢が大量に飛んでくるけど、全て弾いている。


魔物かと思った攻撃は全部人間だった。

一緒にここまで来たプロトマト人も混ざっていた。

せっかく助けても、これじゃ何の為に助けたのか。


俺の周りを100人以上の人間が囲って攻撃してくる、

珍しい魔法での攻撃も飛んできている。

全員を殺さないように氷で身動き出来なくしていく。


急いで女性だけの家に向かう、

そこは燃やされてない、

家の中を見る。


アケミさんは胸から血を流して倒れていた。

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