第33話 航海の途中

アケミさんに若い子が夜中に五月蝿いのを静かに出来ないか?注意して欲しいとお願いしたけど、

「皆んなストレスあるのを発散してるんだよ」

俺とセンベーさんは酒を飲まないのに

「あんたら2人も皆んなと一緒に飲んで騒いで仲良くなりなさいな」

駄目だなアケミさんは若い子側だ。


アケミさんも飲んでるな。

毎晩、俺とセンベーさん以外は見張りを除いたら皆んな飲んでるね。騒いでるね。


センベーさん

「アイスさんカケージ港に着いたとしても宿は、この船の可能性が高いですよね?」


『そうだね、何も決まってないから毎晩五月蝿いのが続きそうだ』


「陸に上がれたらお願いして宿を取りましょうよ」


『そうしよう!この船は迷惑な隣人と一緒に居るには壁が薄過ぎだよ』


俺は風が良ければ20日でカケージ港に到着すると聞いてたけど、

10日も経ったのにネスカ国さえ抜けてないと聞いて2ヶ月以上も船の上に居ないとダメなんじゃ無いかと憂鬱になって甲板から水平線を見ていた。


夜に、一度上陸して情報収集した方が良いんじゃないか?と思い、ネスカ国の港を見つけたら寄港しませんか?と食堂で提案した。


「寄港するのはリスクが高い行為だと思う」


「慣れない船の操作でかなり進みが遅いですが陸路で移動するよりも安全です」


アケミさん

「アイスさんが船旅を嫌になっただけじゃないだろうね?」

皆んなから今のネスカに滞在するのは危険だと反対された。


いや船旅が嫌になってるけど、

それだけじゃない提案だけど、嫌になってるだけなのかなぁ。



遠くに陸が見えるのをボーッとして甲板から眺めていた。


「佐藤さん少し話しませんか?」


驚いて横を見たら20代の戦闘が強いと聞いてる若者が話しかけてきた。


『はい、なんでしょうか』


若者は九鬼正人さんと言うスキルに火魔法、風魔法、筋力強化が使える人。


九鬼さん

「佐藤さんとは色々と話してみたかったんです」


『話す機会が無かったですね』


「俺は前から城壁作りの時に一緒になってたんですよ、佐藤さん仕事が終わったら直ぐに帰るので話すタイミングが無かったかな」


『すいません疲れてるので家に直ぐ帰ってました』


九鬼さんは魔力を上げる方法が人を殺す事というのは戸惑ったが、強くなる為にシャルパックとの初めの戦争を前線で戦い続け、

それからもシャルパックの斥候や襲撃の戦闘の度に前線を志願したらしい。


20人は殺してると物騒な事を言ってる。

最近は魔力の上がりが悪くなってきたので、魔力の上限が来たのか、より強い相手と戦わないと上がらないのかな?らしい。


九鬼さん

「俺は異世界に来て驚いたが、その後は冒険するぞとワクワクでした」

「ただ実際に生活してみると日々の食事、生きる為だけの生活に追われてしまって辛かった」

「魔力が魔物を倒しても練習しても上がらない時は絶望しましたよ」


「人を殺すのは慣れないですが、強くならなきゃ生きていけない誰も守れない」


『恐ろしい世界ですよね、でも魔法やスキルを使えてダンジョンあったり、来て良かったと思えますね』


「それは佐藤さんがとんでもなく強いスキルと無限の魔力があるからでしょう」

「俺は帰れるなら地球に帰りたい」


九鬼さんの表情が変わる

「佐藤さんはスキルの練習も真剣にしてないし、身体を鍛えてもない、語学の練習も適当」

「あんた世界を旅したいと言ってるが異世界人と、ちゃんと会話した事あるのか?」



「彼らはNPCじゃねえぞ」

「あんたを殺して、そのスキルが手に入るなら俺はあんたを殺すね!」


「佐藤さんのスキルが凄く使えるから皆んな気を使ってるが、あんたの態度もヤル気もクソだ」



「あんた異世界まだ舐めてるだろ」


俺は彼と会話して心臓のドキドキが止まらない、

彼の殺意、憎悪が恐ろしい、、

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