第15話 出られない村
『他の村にも配りたいので、ここで失礼します』と言ったにも関わらず、
村長の五十嵐さんも周りの人も「是非とも村に来て下さい」と、
半ば強制的に歓待してきて村に入った。
リアカーを見たら村人全員が出て来たんじゃないかと思うほどの人が集まって来た。
リアカーの上の食料生活品は麻袋や布袋、陶器壺に移し替えてる。
食品は米、小麦粉、イースト菌、乾燥野菜、干し肉、ハードチーズ、味噌、醤油、塩、胡椒、砂糖、オリーブオイル
生活品は石鹸、ハサミ、針と糸、布生地、紙、インクとペン等色々と初めて来た時に村で見かけた物達
喜ばれると思ってたし事実みんな凄く喜んでるが、
1日にどれくらい出せるのか?とか何故初めて来た時に本当の事を言わなかったの?とか、
質問が俺たち3人が商品を出せる前提の内容しか無かった。
俺だけじゃなくセンベーさんやマンジュウさんにも質問責めだ。
俺たち3人は下を向いて黙ってしまっていた。
五十嵐村長が慌てて俺たちを皆んなから引き剥がしてくれた、
「申し訳ありません、みんな想像以上の品物で浮き足だって、また失礼な態度になってしまって」
初回の態度とは全く違う。、
初めも優しい雰囲気だったけど能面のような優しさだった。
今はとにかく下手に出て俺たちを村に引き込もうとしてる。
近くの川で獲れた川魚に今日届けた調味料をふんだんに使った焼き魚や、
米に木の実やキノコを混ぜた炊き込みご飯、
多分ジャガイモ村で1番贅沢な食事を出されてる。
食事中に30前後ぐらいの綺麗な女性達が俺たちの横に付いて、地球に居た時の面白い話とかをニコニコな笑顔で話してくれる。
分かって無いな、今更そんな事をされてもリップサービスと思ってるから余計楽しめない。
2人も死んだ目をして無理矢理笑ってる。
女性達も気付いてるんだろうけど、最後にはメロメロにさせる自信があるんだろう。
面白いという地球に居た時の話、俺にとって地獄のような話を続けてた。
夜も9時過ぎて今日はゆっくり泊まって休んで下さいと、
またも無理矢理泊めさせられた。
3人とも、ここら辺の事が断れない。
1人一部屋で藁と布で出来た1番良いであろうベッドの個室を用意された。
これもあるかなと思った、隣で話してた女性が夜中に個室へ入って来た。
「昼間は重いリアカーを引いて来て疲れたでしょうマッサージしてあげようか?」
俺が『すいません疲れてるので眠たいです』
と失礼な返事をするとすんなり引き下がっていった。
2人と朝に話して西の城に帰ろう。
センベーさんは朝早く顔を洗う時に水瓶の前で出会った、
「昨日はお楽しみでしたか?(笑)」
『いやいや無理でしたよ』
「まぁそうですよね」
センベーさんも断ったのかな。
マンジュウさんは朝食と言われても集会所にまだ来てないから昨夜は楽しんだのかな、
大人だし悪い事じゃ無い。
五十嵐村長が朝食を待ってる俺とセンベーさんの前に来て、
「申し訳ない何と言えばよいか寺田萬寿さんが誰かに襲われてベッドの上で死んでいました」
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