サイン

3人は、また、ロビーにある、いっぱいの絵たちをながめていった。


しばらく、ながめていて

「あっ?なんか、サイン書いてあるで」

って、イレーヌちゃんは指さした。


「「えっ?どこどこ?」」

マーリアちゃんと、わたしは、イレーヌちゃんの指さしてるサインを見つめた。


「えっと...なんて書いてある?」

「あれ?...なんかカタカナちゃう?」

「ほんまや!カタカナみたい!」


「「「えっ?...『アヤナッチ』?」」」

みんな同時に声をあげた。


「「「うわっ!カタカナで『アヤナッチ』って、書いてあるやんっ」」」


「このサイン書いたの、あやなっちなん?」

「いや、わたしは書いてへんで!」


「ほんま?」

「こんな、きれいな風景画、わたし、よう描かへんもん」


「まあ、そりゃそやな」

「あやなっち、こんな風景画、描けるわけないもんな」


「なんでやねんな...でも、まあ、そうやけども」


「そやけど、なんとなく、このカタカナ、あやなっちの書く文字に似てへんか?」

「うちも、そう思う!あやなっちの書く文字に、めっちゃ似てる」


「そやな~!わたしも、自分でも、このカタカナ、わたしの書いた文字みたいやわ!カクカクしたところとか...」


「だれなんやろな?この、アヤナッチっていう画家さんは...」

「どんな画家さんなんやろな?会ってみたいわ」

「わたしも会いたいわ!」

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