白熊文菜ちゃん

ヤッキムン

パリ

わたしは白熊文菜。

パリで生まれた。


今はパリの小学4年生。


パリで生まれはしたけど、フランス人ではない。

ママは大阪人。パパは京都人。


生まれた時から、家では関西弁を聞いてきた。

そやから、わたしも関西弁をしゃべれる。


小学校の友達は、イレーヌちゃん。そしてマーリアちゃん。

ふたりとも、ママは大阪人。パパはフランス人。


国籍はフランス人やけど、イレーヌちゃんとマーリアちゃんも大阪弁をしゃべれる。


3人で、いつも大阪弁でしゃべっている。


わたしは「あやなっち」と呼ばれている。



「今日もオルセー美術館に行くで~」

って、イレーヌちゃんは言ってる。


「また、あの絵やな」

って、マーリアちゃんは返してる。


「ふたりとも、あの絵、好きやからな~」

って、わたしも、ふたりにつっこむ。


「「あやなっちも好きやんか~」」

「まあ、好きやけども」


それで、3人でオルセー美術館に行く。


えっ?あの絵って?


あはは...あの絵と言うのは...


「ヴィーナス誕生」の絵です~!


3人ともオルセー美術館にある「ヴィーナス誕生」の絵、大好きなのだ!


オルセー美術館に行ったら、3人で小走りで「ヴィーナス誕生」の絵のところに向かう。

バタバタ走ってはダメだから、静かにねっ!


着いたら、もう、3人で

ジ~~ッ

て、いつまでも、ながめている。


オルセー美術館の学芸員のお姉さんとも仲良しになった。

「また来たのねっ!」

って、お姉さんは言って、3人のことをめっちゃ歓迎してくれる。

「ヴィーナスさんも喜んでるよ」

って、お姉さんは、いつも言ってる。


「ヴィーナスさん、いつ観ても、めっちゃきれいやな~」

「まわりを飛んでる天使さんたちも、めっちゃ可愛い~」

「こんな絵を描きたい~」

って、3人で言いながら、絵を見つめている。





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