第34話
既にチキンの輝は復調していて、その精神は一段上の境地に上がったといえるが、マネージャーの桂里奈は、サンドバッグの陰から輝を伺っていた。
「修社長、輝くん。」
輝の麻痺側は左脚だったが、左右の腕は健在で、右脚のハイキックを繰り出せない訳ではなく、二段蹴りを封じられたハンディ戦の様相だと思えば事足りる。
Ⅰカ月の特訓を経て世界タイトルマッチ18時間後の午前零時荻原ジム、白いマットに立つ男二人は両手をぶら下げられずには居られない程の疲労を蓄積していた。
「行くぞアキラ!タイミングを外したらマットに沈むぞ!」
「全てはタイミングや!」
8回もの二段蹴りを喰らった。
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