第11話 心配
ミツキ達が離れたのを感じとり、ロキは傷口を押さえながら身体を起こす。
「メチャクチャ痛ぇ~!!……でも、これで彼女……たしか『ミツキ』って呼ばれてたな……ミツキは大丈夫……かな?」
痛みに半分叫んだロキだか、それでもミツキの身を案じた。
「ハァー戻るか……でも、この状態をどうやって説明しようか……」
なるべく彼女の事を伝えたくないため、どう説明するか悩むロキは、彼女達が去っていったであろう方向に視線を向けた。
(『次に合ったら文句を言ってやるんだからね!』……か、名前も覚えていてくれたし……少しでも意識してくれたって思って良いかな)
小さな声で『またな、ミツキ!』と言ってその場を後にする。
「それにしても、あの女性兵になんでバレたんだろう?」
なるべくバレないように、自らを撃ったにもかかわらず一目で擬装とバレた観察眼は、畏怖と共に称賛を送りたいくらいだった。
「もう少し……ミツキと話したかったな……」
誰にも聞かれない呟きをこぼしながら、タメ息混じりに基地への帰路に着くのであった。
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──sideミツキ──
彼は、私の為に自らを撃った。
(本当にどうしてあんなことをしたのよ!バカロキ!……死んじゃったら……死んじゃったら、もう会えないじゃない……)
理由は分かる、だけど理由はわかっててもそれで納得が出来るかは別の事である。
友人のアオイに背負われながら、基地に戻るミツキは自身のこれからの不安より、ロキの事を心配していた。
「ミツキ、大丈夫よ!」
「何の話し?」
「貴女が心配することは無いから、安心して良いわ!」
「……?わかったわ……」
アオイの言葉の意味が分からなかったが、私の身を案じる事だと思い肯定の返事をミツキは行った。
(本当にわかってるの?アナタ背負われていながら、ずっと彼の事を気にしてる気配がだだ漏れよ!)
横目でミツキを見ながら困った顔をしてから、アオイが気付かれないように微笑んだ。
第一章(完)
物語は続く
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第二章からの投稿はしばらくおやすみしますm(_ _)m
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