第7話 衝撃
あの女性と会った事により、ロキは彼女と話してみたいと思うようになった。
「どうしたんだよ?またボーッとしてさ」
「あぁ……ちょっとな……」
「隊長、何か悪いモノでも食べましたか?」
「それはないな……」
「ロキがこんな状態なのって、珍しくないか?」
「あー、ソレは言えてる」
「おい、俺をなんだと思ってるんだ?」
ライ、ネロ、カイの軽口に半眼になりなからロキが抗議する。
「でもロキ隊長、本当に大丈夫ですか?」
「肉体的には大丈夫だよ……少し考え事をしてただけだからww」
サイの言葉に嘘ではないが本当の事も話さない。
「でも珍しいよな!ロキがココまで自分の世界に陥ることなんて、今までなかったから!」
「確かに!隊長は考え事をする時、いつも共有して『一緒に考えてほしい』って言ってきますよね!」
「そうだっけ?」
自覚しているがコレばかりは恥ずかしいために、惚ける事でその場をやり過ごそうとした。
「で、何があったんだよ?」
「待てライ、俺が一人で考え事をしているのはそんなにダメな事なのか?」
「いや、ダメじゃないけどさ……気になるだろ!」
良い笑顔でそんな事を言われたロキは、顔をしかめるしか出来なかった。
「迷惑かけないように気をつけるから、この話はこれでお
三十六計逃げるに如かず、ロキは無理矢理この話を終わらせることにした。
「しゃーないから、終わらせてやるよww」
ライは大爆笑し、ネロやカイとサイはロキの今まで見たことのない慌てッ振りに笑いをこらえるようにしている。
「とりあえず、俺は散歩してくる!」
そして、逃げるように出ていった。
---------------------------
女性の事を考えながら歩いていたロキは、いつの間にか湖の近くまで来ていた事に気が付いた。
「何でココに来てしまったんだ……!!」
ため息混じりに一人喋っている時に、突然近くの木に銃弾が撃ち込まれた。
「誰だ!!」
護身用の小型拳銃を構えながら近くの大木の後ろに隠れ叫ぶロキに、まだ銃弾が撃たれる。
(俺たちが占領している場所で撃ってくるなんて、どんな奴だ?)
少し止んだ為ロキも威嚇射撃を相手が居るであろう方向に撃ち込んだ。
「キャッ!」
女性の声だった。
「やったか?……!?」
警戒しながら覗き込むと、女性が左足から血を流していた、装備からいって敵兵であることに変わりはないが、念のために下の方向に向けて撃ったため、それに関しては然したる問題ではない。
だが、コチラを向いている女性兵の顔を見た瞬間、ロキは別の意味で驚いていた。
「なんで、君が……!?」
ロキが驚いた原因は、彼女が湖で出会った女性だったからだ!
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます