(5)
「ひょっとしたら、私の勘違いかも知れませんが……警察の現場検証を隠し撮りされてませんか?」
「え……おっちゃん……何、言ってんだよ?」
心霊ものの動画を配信している竹田
さっきやった連れとの言い争いと、この冴えない外見の男の一言のせいで、警官達が自分の方に目を向けた。
「勝手にやってろ。あたしは、この件から降りるから」
アドバイザーのつもりで雇った自称・霊能者の
「ちょ……ちょっと待ってよ……」
むしろ、そう言ってくれたのは、好都合だ。
竹田は春日を追い掛けるフリをして、その場から逃げ去ろうと試みる。
何とか巧く行った。
路地から西武新宿駅横の大通りに出て……。
何故か、春日は立ち止まり、自分の方を厳しい目で見ていた。
「ああ、そうだ、あんたみたいな人間の屑にとっては愚問かも知れないけどさ……」
「へっ?」
理解出来ない。
予想出来ない。
春日が自分に何を言おうとしているのかが……。
「例えばさ、あんたが何かをやりさえすれば、あんたの同業者や、あんたに関わりない誰かが大量に死にまくるのを防げるかも知れない。でも、それをやらなかったら、本当に大量に死人が出ちまった。そんな事が起きたら、あんた、嫌な気分になるかい?」
「お……おい、何、言ってんだよ?」
「この件、
「だから……何を言ってんだ?」
「どこの誰か知らないけど……あのコスプレ野郎が、あまりにも馬鹿でトンデモない真似をやるように仕向けた
「何の事だ? おい、昨日のアレは何で起きたか……見当付いてんのか?」
「呪詛返し」
「へっ?」
「あのコスプレ野郎は……多分だけど……どっかの神様そのものか、どっかの神様の強い加護を受けてる誰かに呪いをかけてしまった。それも、本人が気付かない内にね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます