(3)
ガンッ‼
気絶しながら後ろ向きに走っていた女性が、壁に激突し……そして、壁にヒビが入った。
「ご……ごぶっ……」
壁に激突した女性の鼻の穴と口からは血。
だが……。
めきっ……。
めきっ……。
めきっ……。
壁に激突した女性の体が変形していく。
壁に入ったヒビも大きくなっていく。
まるで、見えない何かに押し潰されるように……。
そして……。
その女性は、壁にめりこんでいた。
骨が何箇所も複雑骨折しているのが明らかなほど、体が変形していた。
だが……。
それでも……。
生きていた。
死んだ方が楽になるのが明らかな状態で……意識まで有るようだった。
「な……なんで……なんで……あたしが……」
呆然としながら、その様子を見ていた人々が予想した言葉は……『なんで……あたしが……こんな目に?』だったであろう。
しかし……その理不尽な目に遭った女性の口から出た最期の言葉は……。
「なんで……あたしが……
その時になって、ようやく、国会議事堂の通路に、阿鼻叫喚の叫びが響き……。
だが、衛視の笹塚は、この女性の死と同じ位、奇妙な事に気付いていた。
死んだ女性が顔を向けている先にある別の壁……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます