O・Ｔ・Ｏ・３

愛と支配とＯ・Ｔ・Ｏ・３

───【登場人物（♂4：♀1）】───

緒方（♂）

轟（♂）

大清水（♂）

青年（♂）

リリスクイーン（♀）

───【本編】───

リリスクイーン

「うっふふふふふ……ねぇ、そこの子犬ちゃん？」

青年

「はいっ！　何でしょうか麗しの女王様！」

リリスクイーン

「犬が喋るなって言ったわよね？」

青年

「は、わ、わん！　キャンキャン！」

リリスクイーン

「よろしい。……何やら、はた迷惑な奴らが私（わたくし）たちに敵対しているらしいの。

　ねぇ子犬ちゃん、何とかしてくれない？」

青年

「キャンキャン！！」

（青年、駆け出していく）

リリスクイーン

「うっふふふふふ……この村の男たちは、全員私の魅了の眼の虜……♪

　私の意のままに、魔王軍に従って動くがいいわ……」

大清水

「そこまでだ貴様！！」

リリスクイーン

「ッ！？　何者！？」

緒方

「緒方！」

轟

「轟！」

大清水

「大清水！」

緒方

「三人組ッ！」

轟

「略して我ら！」

緒方・轟・大清水

「Ｏ・Ｔ・Ｏ・３（おとうさん）！！　」

リリスクイーン

「さては貴様らが……！

　バカ犬！　バカ犬はどこにいったの！？」

青年

「キャンキャン！！

　……！？　侵入者ですか、女王様！？」

リリスクイーン

「そうよバカ！　何とかしなさい！」

青年

「かしこまりました！！　貴様ら！　覚悟！」

轟

「ぬぅん！？　お前は人間ではないのか！？」

青年

「それがどうした！

　俺はこちらの魔王軍幹部、リリス族の女王、リリスクイーン様に使える忠実なしもべなのだ！！」

大清水

「魔物に与（くみ）する人間、だと……！？」

リリスクイーン

「そうよぉ？

　人間にも魔王軍に従うことに幸せを感じるヤツもいるってことなのよぉ。

　でも、あなたたちの言うように、そいつは人間……♪

　そしてそいつは、私の忠実なしもべ。死ぬまであなたたちと戦い続けるわ。

　あなたたちに、同じ人間を倒すことはできるかしらねぇ……？

　うふふ、うっふふふふふふ──」

緒方

「『緒方ラブ張り手』！！！」

（緒方、青年の頬を全力ではたく）

青年

「あ痛ッたぁ！！！

　……あれ？　ここは？　俺は？」

轟

「正気に戻ったか青年」

大清水

「心の中で助けを呼んでいたのは君だな青年」

青年

「あっ……はい！　あの、あいつが！！」

リリスクイーン

「まさか……私の魅了の眼を解いたというの……？

　……まあ、でも。あなたたちも、オ・ト・コ♪

　だったら……ねえ、こっちを見てぇ？」

轟

「ぬぅん？」

青年

「いけません！　あいつの眼は──！」

リリスクイーン

「さあ──私のしもべになりなさい！！『チャームアイ』！！」

（三人に魅了の術をかける）

緒方

「……何だ？」

大清水

「どうということはないではないか」

青年

「えっ……？　そんなはずは……」

リリスクイーン

「まさか……全員私の眼を見たはず！　どうして私の魅了の眼が効いていないの！？」

大清水

「内から溢れるふんだんな魔力のおかげか」

緒方

「おぬしが私のタイプではないからか」

リリスクイーン

「ムカつくわねぇ……。

　……あら？　うっふふふ……

　ひとりだけ、ちゃあんと届いたようねぇ……♪」

轟

「……リリスクイーン様……！」

緒方

「んなっ！？　おい、轟！」

大清水

「正気に戻れ、轟！」

リリスクイーン

「うっふふふふふふ！！　いいわ！　それよ！

　その慌てぶり、なんて気持ちいいのかしら！！

　さあ新しい犬！　その二人をやってしまいなさい！」

轟

「……私……お前ら……やっつける……！」

緒方

「自分を取り戻すのだ轟！」

大清水

「犬というよりゴリラになっているぞ轟！」

轟

「覚悟せよ……！」

緒方

「仕方ない、ここは私が！

　轟よ！　くらうがいい！　我が渾身の愛をこめて！

　くんずほぐれつくんずほぐれつ」

轟

「ぬわーーーーっ！！

　……はっ！？　私は一体……！」

大清水

「正気に戻ったか轟！」

轟

「……すまない、助かったぞ緒方」

緒方

「礼には及ばぬ」

リリスクイーン

「キイイ～～～～ッ！　またあんたなの！？

　……仕方ないわねぇ……私が直々に調教してあげるわ！」

轟

「二人とも、ここは私に」

緒方

「リベンジマッチか轟」

大清水

「後ろは任せろ轟」

リリスクイーン

「あら、あなたからなの？

　ふぅん……よく見たら、なかなか立派な下半身、してるじゃない？」

轟

「自慢の下半身である！！　今からお前を倒す、自慢の下半身である！！」

リリスクイーン

「いいわぁ、相手してあげる♪

　そーれっ！」

（リリスクイーン、轟に一瞬で近づく）

轟

「ぬぅん！　速いッ！」

リリスクイーン

「さっき正気に戻ったときにやってた、アレ……私もやってあげるわねぇ♪

　一緒に体力も吸い取ってあげるから、幸せに枯れ果てなさいな♪

　あ、そーれ！　くんずほぐれつ、くんずほぐれつ♪」

轟

「ぬわーーーーーっ！！」

緒方

「轟ーーッ！！」

リリスクイーン

「くんず、ほぐれつっ、くんず、ほぐれつっ」

轟

「ぬわーーーーっ！！」

大清水

「轟ーーッ！！」

リリスクイーン

「はぁ、はぁ、はぁ……く、くんずっ……ほ、ほぐれ、つっ……」

轟

「ぬわーーーーーーーーっ！！」

緒方

「轟ーーーーーーッ！！！」

大清水

「轟ーーーーーーッ！！」

リリスクイーン

「も、もうだめ……どれだけ底なしの体力してるの……」

轟

「終わったようだな！！

　どうやら私の自慢の下半身には勝てなかったと見える！！！」

リリスクイーン

「く、くそう……」

轟

「それではトドメだ！　必殺！『轟ストンピング』！！」

（轟、リリスクイーンを踏み潰す）

リリスクイーン

「アアアアアーーーーッ！！！

　……この、私が……殿方に、踏まれるだなんて……！

　ああ……カ・イ・カ・ン……♪」

（リリスクイーン、倒れる）

轟

「完了！！」

青年

「……あ、ありがとうございます……」

緒方

「礼には及ばぬ、若者よ」

轟

「やるべきことをやったまで」

大清水

「この場はこれにて一件落着」

青年

「ちょっとだけ残念だけど……ちょっとだけ」

大清水

「ぬぅん！　次の悩みのオーラを感じるぞ二人とも！」

緒方

「それはいけないな大清水！」

轟

「早く移動するぞ大清水！！」

大清水

「二人とも私の手を握るのだ！！『大清水テレポート』！！」

（３人、テレポートする）

青年

「行ってしまった……。だけど……激しい戦いだったな……いろんな意味で」