第176話 下準備期間
日本に戻って四日目。
朝からお仕事。
異世界で撮影した画像を整理したり編集したりしつつ、異世界はLED照明とかないから普通の酒場やレストランがロウソクの灯りだけで、大変ムードがあるなと気づく。
よし、この画像も背景CG集にぶち込もう。
頑張って作業してたら腹が減ってきたので、煮込んでいたロールキャベツを朝食として食べる事にした。
スーパーで買った冷凍ロールキャベツをお試しで食ってみた訳だが、
「キャベツがこんな固くなることあるか!?」
「ゴムみたいになかなか噛み切れないね、でもスープは美味しいよ」
「カナタ、これ無理して食わなくてもいいぞ」
「食材に申し訳ないから食べるよ、不味いというより噛み切りにくいだけだし」
「顎が……鍛えられるな」
「昼は近所のパン屋で美味しいやつ買おう」
「いいね」
「話は変わるが神楽舞の時はテントを立てて弁当やおやつを売る予定なんだが、どんなのがいいと思う?」
「ロケーションはどんなとこ?」
「桜咲いてるとこがいいけど異世界だし、似た花の沢山咲いてるとこ希望して探してもらったらアーモンドの花が咲く場所になったぞ」
「うーん、ケーキは皿とフォークとかいるから、いちご大福とか桜餅はどうかな? それなら袋剥いて手で食べられるかも」
「かわいくていいと思うが貴族令嬢がそんな食べ方をするかな?」
「これはそういうものだと言えばするかも、嫌な場合は持ち帰って食べればいいし」
「それもそうか」
そう言って俺は食後にいちご大福と桜餅を大量に注文し、次に俺は飲み物はどんなのがいいか訊いてみた。
「飲み物も綺麗で美味しい何か……桜色の、ピンク色の何かを散らしたやつがいいな、女性受けしそうだし」
「ほう、流石カナタだ」
「さくらパウダーを買えばなんちゃってさくらフラペチーノが作れるかも」
「さくらパウダー!」
ネットでなんちゃって桜フラペチーノのレシピを検索した。
えーと、材料は……なになに。
さくらパウダー、小さじ1.5
氷、2カップに牛乳、2カップ
グラニュー糖大さじ3、ミルクプリン1個
ホイップクリーム。
「ふむ、これならなんとかなりそうだ」
「わー、楽しみだね! でも名称はなんにするの? 神楽舞の会場で周囲に咲いてるのは厳密にはアーモンドの花だよね?」
アーモンドは桜と同じバラ科のサクラ属の落葉高木で、サクラ属ではあるけど、
「見たままピンクフラペチーノでいいのでは?」
「分かった、動画編集終わったらお品書きでも作っておこうか、写真付きで」
「まだ実際にはフラペチーノを作ってないから写真はイメージですって書いておいてくれ。異世界文字のフォントがないから手書きになるが」
「それはそうだね、分かった」
桜パウダー等を通販でポチッて、昼に息抜きがてら近所のパン屋に向かった。
パン屋の扉を開けると、ふわりと焼き立てのパンの香りがした。
「シナモンクロワッサン焼きたてでーす!」
「翔太、焼きたてだって!」
「千載一遇」
当然買った。
後は好みのパンをカナタと二人して色々選んで買った。
「翔太はクレセントロール好きだよね」
「ああ、これ好きなんだよ。塩味効いてて、カリカリに焼き上げてある」
さて、ランチタイムだ。
イートインスペースで焼き立てパンをまず食べた。
流石に美味しい。
ここはコーヒーも美味しい。
ハムとチーズのサンドイッチも美味しく食べた。
カナタの方は映えるかわいいフルーツサンドを買っていて、食べる前に頑張って写真を撮っていた。
俺達はパンを美味しくいただいてパン屋を出て帰宅した。
夕方には今回日本に戻って初日に通販で買った物が少しずつ届き始めた。
海外通販の抗生物質とかはまだまだだけどな。
さて、明日の夜にまたコラボをやってるカラオケに行かないかって猿助から話が来てたので先日は行けたら行くと答えていた。
「どうしようか?」
と、カナタに聞いたら
「会うのが猿助さんなら僕は行ってもいいよ」
と言うし、行くことに決定した。
猿助さんにメッセージを送った。
「じゃあ夜のうちに移動しておくか」
ってことで、別荘地から元の家の近くに借りたカナタの部屋に車で移動することにした。
夜なら道が空いてるかなって思ったので。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます