本物と偽物の差は大きいと思う(ただのポエム回)

 我々は物書き偽物に過ぎない。

 故に、言葉に重みが足りない。

 ただの嘘吐きに過ぎないのに。


 逆に本物の言葉は重みがある。

 彼等は絶望を知り、孤独を知っている。

 苦しみから生まれた言葉には、偽物の口から出てこない本物がある。

 だからこそ。

 実体験している人には一生勝てない。


 残酷な事実を伝えるのが本物の役目ならば、偽物は幸せな嘘を伝えよう。


 それが物書きとして。

 一人の嘘吐きとして。

 偽物である私に残された役目だから。


 偽物は本物には勝てない。

 それは分かっている。

 だが、フィクションぐらいは偽物でいい。


 本来なら救えぬ命だとしても。

 私は幸せな嘘でその命を救ってみたい。

 それが偽物として、嘘吐きとしての流儀。

 嘘を吐き続けた物書きの宿命であろう。


◇◆◇◆◇◆


 酔いしれたポエムでごめんなさい。

 元ネタと言いますか。

 今回のポエムを書いたキッカケは——。


 感動系小説の作者。

 実は亡くなってたことを偶然知って……。


 あぁ、この人には一生勝てないなと。

 難病を患っている人が紡ぐ文章に、我々偽物は一生勝てないだろうなと。

 その言葉を紡いだ重みが違いすぎるなと。


 物書きとして恥ずかしい限りである。

 何年間も文章を書き続けているのに。

 初めて筆を取った本物には勝てないから。

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