第3話 シルバードラゴン
賢介と沙織は、パチンコで得た、棚ぼたの18万余りの現金を前に話合っていた。
賢介は、「1週間通っても取りに来ないってことはさ、もう貰っていいよな?」
「うん、誠意は見せたしね、店のものでもないし、
いいんじゃない?ラッキーで!」と沙織はくすくす笑うのを堪えていた。
賢介は、「よし!ZIPPOが凄いことは、わかった、
だがまだ試したい!あのドラゴンの炎が本物なのか?」
「え〜よしなよ!欲かきすぎ!充分じゃない?私達に18万なんて!」と沙織は反論する。
賢介は、「確かに、助かる金額だが、このZIPPOが
本当の幸運のZIPPOなら、あやかりたい。買いたい楽器もあるし」と賢介は、更なる望みがでてきた。
沙織は、渋々従う事にした。
賢介は、「まだ12時だな?今日は土曜日、いまから中山競馬場にいこう!」
「え〜競馬⁈このZIPPO凄いのわかるけど、辞めようよ〜」と引き留めた。
賢介は、「いや、勝負する!40万あれば、pcや、自宅録音に必要な機材が揃うんだ!頼む!あっ競馬場でZIPPOから、ドラゴンの炎がでなかったら、その時は、黙って帰るよ」と沙織の肩を抱き、説得した。
中山競馬場にて、
賢介と沙織は何レースか様子を見たのち、中山11レースの3番タイタンに賭けることにした。
オッズは2.3倍であった。
当然、喫煙所にて、ZIPPOからドラゴンの炎がでたからである。
賢介は、沙織にお金と単勝の馬番を書いた用紙を渡し、自分はトイレに向かった。
観客席で、賢介が待っていると、
「買ったよ〜バッチリ!」と詩織があとからやってきた。
賢介は、詩織から預かった馬券を見て、ビックリして腰を抜かした。
沙織は「賢介!甘いな〜17番!シルバードラゴンよ!私達の為にあるような馬じゃない!だから、側にいたオジサンにきいて3-17の馬連にしたの!」
「沙織〜馬連ってのは、3と17が1.2着じゃ無いとダメなんだぞ!オッズは?500倍⁉︎こんなのこないよ!」と呆れた。
詩織は「え〜どっちかが来ればいいんじゃないの?
ヤバ!」と腰を抜かした。
二人は18万の馬券を握りしめて、祈った。
「さあ、スタート、3番タイタン好スタートです
各馬一斉に第一コーナーを目指します!おおっと!
17番 シルバードラゴン落馬です!ジョッキーは大丈夫でしょうか?」
賢介と沙織は二人揃って「終わった」と言ってうつむいた。
二人は、トボトボ、オケラで客席を後にした。
帰り際にタバコを、と思い賢介は喫煙所で、ZIPPOに火をつけた。
すると青白いドラゴンの炎がでた!
賢介は、まさか!と思い馬券を見直した。
すると〝阪神11レース〟になっている。
まさか、とは、思ったが換金機に通すと、当選!
画面には、305万5200円とでていた。
二人は、さっきとは別の意味で腰をぬかした。
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