第24話 さかなちゃん誕生
文化祭から2週間が経った
今日はあの日に連絡先を交換したJKの人と会う
この2週間で色々と電話とかメッセージのやり取りをして今日遂に会うことになった
それこそ文化祭で会った以来だから緊張する
感覚としてはネッ友に会う感覚が一番近いかも
もう相手はついてるみたいだけど・・・
「あ、居た」
顔は覚えてる
中学で3年間みっきー以外の女子と話してなかったからな
それに美人だったし
「
「あ、
今目の前にいるJKの名前は
趣味は俺となかなか一致しているようで、電話で話していて楽しかった
ただ今日は面と向かって話す訳で。俺の方がテンパったりしないか心配だ
「それじゃ入りますか」
「うん、そうだね。ところで
「俺は5年ぶりくらいかな?だいぶ行ってなかった、
「私はね~2年ぶり、それにしても5年って結構長いね」
そうなんだよな
最後に行ったのが小学生の時に家族でだから
なんでこんなに行ってなかったは分かるだろ
男子校だからだよ
男子中学生、高校生同士で行くなら水族館はなかなかセレクトしない
カラオケとか映画館とか、あとはスーパー銭湯とか?
普段沢山喋ってるから落ち着くところに行きたいんだわ
「というか
「え~?嬉しい事言ってくれるね」
「いやいや、ほんとに。俺とか私服あんまりセンスないから凄いなって」
「いや~そんなことないと思う、私も
純粋に思ったことを言っただけなのに気を使われてしまった
まあ俺としてもしっかりした服装で来たには来たから、悪くないならよかった
水族館に入館する
「水族館の中は外とは違って暖かいね」
「確かに、こんなに広いのによく暖房効いてるね」
「足の方も暖かいし」
「あ、ほら、その下から暖かい風出てるんじゃない?」
本当だ、良く気付いたなぁ
外の気温は3度だったから暖かいのはありがたい
こういう広い所って大体空調設備整って無いイメージだけど、そんなことなかった
「お、早速魚居る!えっと・・・名前なっが」
「でもちっちゃくて可愛いね」
一応名前を紹介すると
アピストグラマ・トリファスキアータ。らしい
海藻あたりを素早く動き回っていて可愛い
「何か見たいお魚とかいる?」
「んー特定の魚というよりは可愛かったり、すごい魚?語彙力無いけど」
「じゃあ順番に見ていこっか」
入口から順番にサクサクと魚を見ていく
わりとここら辺は小っちゃい魚が多いな
特別好きというわけではないけど、なかなか動きとか可愛いと思う
「いや~水族館久しぶりに来てもう楽しい」
「私も、食べちゃいたいくらいお魚さんたちが可愛い」
「水族館で食べちゃいたいくらい可愛いはダークユーモア過ぎない?」
「ふふふ、面白い?」
いや面白いっちゃ面白い
センスが良いね、勢いで乗り切らないギャグというか
まあどちらにせよ、ジョークの言えない俺よりは凄いに決まってるけど
「イギリス式ジョークだね」
「あ、それは褒め言葉だよね?性格悪いとは言ってないよね?」
「性格悪いとは言ってないよ?センスいいねって」
「ありがと~」
電話していた時にも感じたけど、この人は最初に会った時の丁寧な印象とは打って変わって結構さっぱりした性格をしているなとは思ってる
ただ俺的にはこっちのほうがありがたい
男子校の人間に乙女心くらい察してくれと言われても無理な話だからな
一通り入口当たりの小魚コーナーを抜けると今度はいきなり大きい水槽があった
中に入っているのは・・・お、これは俺でも分かる有名な魚ばかり
アカエイ、チョウザメ、イワシの群れ、その他色々な有名な魚達が入っている
「魚たちのハッピーセットだな」
「私でも知ってるお魚さんばっかりだしね~」
「あ、エイのお腹だ!可愛いなぁ」
「エイのお腹にある顔みたいなのって実は鼻の穴なんだって!知ってた?」
「いや、顔ではないってコトくらいしか知らなかった」
へぇ、鼻孔なんだ
また一つ頭が良くなってしまった
確かによく観察すると表向きに目がついてるのが見えなくもない
「小さめのサメもいるな」
「違う違う、あれはサメじゃなくてチョウザメだよ」
「え?」
チョウザメが・・・サメじゃない?
え、チョウザメなのに?
どういうこと?
「サメは1億年前に生まれたけど、チョウザメは3億年前に生まれた種類だからね」
「はぇ~そうなんだ。てっきり俺はサメから派生してチョウザメになったもんかと」
「確かにね。私も最初そう思ってた」
すげぇ、初めて知った
というか
「すごいね、なんでそんなに魚に詳しいの?」
「実はね~今読んでる漫画が魚の豆知識とか小話がたくさん入ってて~」
「そこで知識を得たってわけか」
「そそ、どう?凄いでしょ?私のことは『さかなちゃん』と読んでくれたまえ!」
「ギリ怒られないような名前」
すごい、あと普通に可愛い
その後も豆知識を聞きながら水族館をじっくりと回った
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます