第21話 ゴブリンとは仲良く出来ない


鍵を開けて、部屋の中に入ってみると4畳ぐらいの部屋でベッド、机と椅子が置いてあるくらいであった、独り暮らししていた頃よりも大分狭い部屋だけど寝るぐらいだけだからまぁ~最初はこんなところから、始めればいいよね。


お金貯まれば寮に移ればいいからね。

色々考えをまとめたいところだか、まだ時間もありそうだから、町の外に出て少し稼いでこようかな。


幸いなことに依頼を受けずとも常時依頼ならしたあとの報告ですむからね。

素材も売れるし。


そうと決まれば一刻でも早く出掛けなければ。

しゅたっと立ち上がりすぱっと部屋から出てもちろん鍵を閉めるのも忘れない。


受け付けにいたリサさんに鍵を渡しそのまま宿を出る。

本当なら町も見て廻りたいが時間はあまりない、正確な時間は解らないが昼をまわってる頃だと思う。


早足で町を歩き門まで来た、門の所にいた2人に声をかける。


「モンドールさん、リーモンさん、無事冒険者になれました。身分証このとおり」


そう言って冒険者カードを見せる。


「出るときは見せなくていいよ」


「知ってます、自慢したかっただけです」


「はよー行け。遅くなると魔物も強いのが出てくる確率が上がる。」


「うん、今から依頼かい?」


「いえ、通常討伐してくるだけです。弱いの討伐と採取だけしてくる予定です」


「なら、行ってらっしゃい」


「行ってこい」


「行ってきまーす。」


町の外に出てから壁沿いを歩いてみることにした。街道以外歩く人はあまりいないのか薬草類がかなり手つかずで残っているのである程度残して取りまくる。


「1つ取ればぁ、飯になり、2つ取ればぁ、宿になる♪」


謎の即興歌を歌いながらご機嫌よく採取していく。


そうして採取しながら歩いていたら門が見えてきた、ハンナさんから聞いた話だとこの町には4つの門があるらしい、ここは街道が交わるところらしいので町も発展してるらしい。


あっ、そうだここはパスクールの町というらしい、商業都市とまでは言わないがかなりの経済力あるらしい、ちなみにこの辺りを治める領主が住んでおり、領主は伯爵みたいだ。


伯爵は賢い方らしいので安全だが他の貴族は怪しいので貴族街には近づかない方がいいらしい。

ハンナさんは受付嬢歴が長くずっとここに住んでるからかなり詳しかった。


考えことしてる間にも人が門に入っていってる、ボケーッと立ってても疑われるだけだし、どこかに移動しなければ、どうしよう?


このまま、ぐるりと一周するべきか、町に入るか来た道を戻るか、うーーーん。


まだ時間あるから、町から離れながら元の門から帰ろうとしますかね。

壁から離れてくるとぽちぽちと魔物の気配もしてくる、探知を使い積極的に狩っていく事にします。


町に近いこの辺りではやはり一角兎が多いみたいだ。

あれは農場とかの作物を狙っているから、だから常時依頼になってる。


新規の顔で言えば大芋虫もいた、犬ぐらいの大きさの芋虫で、してくることと言えば体当たりくらいなのだが動きも遅く使い始めたばかりの剣でも余裕で倒せた、まぁーキモイのが最大の攻撃といいますか。


そんなこんなで主に二種類の魔物を倒しながら、採取も続けていた。

結構、稼げたと思うので町に戻ろうとしたら遠くの方に見知らぬ魔物の反応が有ったので近付いてみると3体のゴブリンがいた。


一応の鑑定結果


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ゴブリン


醜い小鬼の亜人、弱いが繁殖力だけある。

単体では弱いが集団生活をしているので気を付けねば囲まれるよ。


魔物ランクE 使える素材無し

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ でした。

向こうも気づいたようでガァガァギャーギャー言いながら近づいてくる、言葉は解らないが少なくとも友好的ではない。


転生物によくあるゴブリンと会話して仲間にとかはこの世界ではないらしい。


良かった、こんなのと仲良くできそうにないし、したくもない。

そう思えるほど近づいてくる、ゴブリンの醜悪さと臭いは嫌悪感をいだくに十分なものだった。

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