世界の果ての世界で君と
彩歌
プロローグ
あの夜の月は大きく、地上に落っこちて来そうだった。
「ーー全く、みんな懲りねぇな。一回“神様”の貢物にしたからって、“盗品”は“盗品”でしかねーのにな」
「まぁ、そうぼやくな、ルス。こういう文化があるこそ、儂らは盗みが出来るんだ」
「ま、それもそっか。さ、今夜はどれにするかなー。あ、今、月の光で何か光ったな。それにするか」
軽やかにルスは屋根を飛び越えていく。
「ん、重てぇ。親方、手伝ってくれよー」
「当たりか?」
「たぶんね。ちょっと宝石見えてるし、この重さ。良い値になると思うけど?」
「あぁ、良さそうだ。同業者に見つかる前に逃げるが勝ちだな」
ルスと親方はふたりで木箱をアジトまで運んで行く。
「開けるよ」
ルスが木箱の釘を抜いていく。
その中にはおびただしい数の宝石とーー
「えぇ!?女の子ぉ!?」
夜空に煌めく銀の月がそこにあるのかと思うほどの綺麗な女の子が入っていた。
そうこれが彼女との出会いだった。
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