第6話私(坂田里香)は、瞳君のママ(美佳さん)の弟子、ファンになりました。

坂田里香です。

瞳君のお母様(美佳さん:初対面では可愛い感じの人)に招かれて、そのまま瞳君のお家に入りました。


美佳お母様は、その可愛い顔で、コロコロと笑います。

「あらー・・・瞳の先輩なの?送ってくれてありがとう」

「あ・・・入って!クッキー焼いてあるの」

(おなか減っていたし、瞳君も、うん、と笑ったので、全員で防音室に入りました)


美佳お母様は、ご機嫌です。

「そうなの、里香さんは、トランペット?」

「うれしいなあ・・・」


「え?」

(私は意味不明でした)


美佳お母様

「実は、私もペット奏者、元Tフィルなの」

「夫はY響でチェロ」

「実は同じ音大で同級生」


「うわー・・・すごいです!」

(現役プロのお父様、元プロのお母様)

(しかも、両方とも、トップオケ)


美佳お母様は瞳君を見た。

「でもねえ・・・瞳って軟弱でね」

(瞳君、ムクレているし、可愛い)

「トランペットは、途中でやめたの」

(それでね・・・納得した)

「ピアノもバッハからモーツァルト止まりでね」

「だから、トランペットを吹くって、うれしいような、心配なような」


「あ・・・はい・・・」

「仕込みます」

(本当は、私が美佳お母様から、レッスン受けたい!)


美佳お母様は、瞳君の頭を小さくコツン。

(瞳君、大人しくコツンされている、それ可愛い)

「私も基礎は仕込むよ」

「里香先輩の足を引っ張らないように」


「いえいえ・・・私こそ、お母様から習いたいです」

(あ・・・本音言っちゃった・・・恥ずかしい)


美佳お母様

「いいよ、おいで」

「瞳の先輩なら、いつでもいいよ」

「時々後輩を教えることもあるから」

(瞳君、クッキー食べている、リスさんみたいに可愛い)


美佳お母様は、話題を変えて来た。

「音楽部の講師って、どんな人?」


「あ・・・はい・・・石川孝雄って、元Sフィルのヴァイオリンの人です」

(そこまでしか、知らないから)(それと指導は陰険で厳しい)


美佳お母様は、意味深な顔で笑った。

「何だ、石川君?へえ」


「知っているんですか?」

(知っているから、笑うのに・・・マジにダメ反応だ)


美佳お母様は、プッと笑った。

「だって、後輩だもの」

「Sフィルは、下手でクビになったの」

「偉そうなことは言うよ、でも、腕がアウト」

「総スカンくらって、追い出されたの」


「今も、帝王みたいに威張っていますが」

(あ・・・言っちゃった)


美佳お母様は、うれしそうな顔。

「困ったら言って来て」

「ギャフンと言わせたいの」


そんな話が続いて、私は美佳お母様のファンにもなってしまった。

(瞳君は、離さないよ、なめたいくらいに可愛いから)

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