第2話 依頼
何を言ってるんだこの女確かに霊に襲われているのは助けたがそれがなぜあの頼みごとにつながるのか俺には不思議でならない
「祖父?」
「そう私の祖父は去年なくなったんだけどあなたに探してほしいの」
「待て待て色々と話が飛躍しすぎているぞ」
駄目だ今は少し興奮状態なのかもしれないそう思い
「話は聞いてやるからまた後日な」
「分かった」
そうして次の日たまたま学校がだったため学校からほど近い喫茶店にて話を聞くことにしたが、なんでわざわざこんな休みの日まで外に出なければいけないんだと多少不機嫌になりながら相手を待つこと10分、待ち合わせ時間の10分前についていたので実際はもうそろそろ来てもいいのだが普通日本人なら10分前行動が当たり前だろと心の中で文句を言うもう注文した珈琲も飲みきってしまいそうなのにそんな事を思っていると
「カラン」
ドアに付いているベルがなりドアの方に目をやると、昨日の彼女が当たり前だが私服姿で来た、白のワンピースで整った顔の持ち主である彼女にピッタリで麦わら帽子を被り向日葵畑にでもいれば映画のワンシーンみたいだ。
彼女の綺麗さに見惚れていると、席についた
「こんにちは」
「あ、こんにちは」
彼女が挨拶をしてきたのでとっさに「あ」なんてコミュ症前回の返しをしてしまう。
「緊張してるのですか?(笑)」
そう笑って見せた彼女だが昨日は恐怖と興奮の色を見せていただけにこんなにも可憐な人間だと思わず笑顔も綺麗だった。
「そんなことはない、ところで要件は叔父を探してほしいだったか?」
「はい、その前に貴方は幽霊が見えるのですよね?
そして除霊も」
なんとも直球に聞きに来たものだ
「まあ、そうだが、」
まあもう見られてしまっているので隠すこともないだろうとはっきり伝える
「お前はどうなんだ、幽霊が見えるのは確かなようだが」
「私は見えはしますが祓えはしませんよ」
まあ昨日の様子を見るからにそうだと判断は出来たが一応聞いてみた。
「私の叔父は去年亡くなっていますただなくなる直前に私に何かを告げようとして力尽きてしまったのです。その言葉を聞くために貴方を頼ることにしました」
「お前の周りには人はいなかったのか?」
「いいえ、私以外にも家族が居りましたが最後は明らかに私に事を伝える意思がありましたか」
「そうかただ探すと言ってもそう簡単に行かないしお前が思っているより単純ではないぞ奴らは」
「奴らと言うのはその幽霊ですか?」
「今の会話からしてそれ以外にないだろ」
昨日から少し感じていたがこの女頭が悪いのか天然なのか普通ではないことは確かだが
「ではどこようにすれば良いのですか?」
「どのようにか」
昔、散々叔父さんに幽霊やら除霊やら先祖など様々な事を言われた事を思い出す
「幽霊はまず2種類存在する、まあ想像しやすいだろうが(普通の幽霊)は特に悪いことはしない、悪戯程度だ、もう一つは(悪霊)だ生きてるうちに殺されたり騙されたりして強い怨みを持つと昨日の様に真っ黒いオーラなどを纏って化けて出る、悪霊らしく人を殺したり人間ではないしほとんど悪霊には自我がないはずなのにいたぶって殺したり、悪知恵がよく働く厄介なやつだ、お前の叔父が悪霊になってた場合話すのは不可能だしみつけたら俺がすぐ祓うそれでもいいのか?」
「はい、もとよりそのつもりで今日は来ましたから」
「わかった、お前の依頼を受けるよ」
「ありがとうございます」
ここである重大な事を思い出した俺はこの人の名前を知らないのだ
「ところでお前名前は?」
「あぁ申し遅れました私は小鳥遊沙耶と申します」
「俺は」
と言い出したところで
「あなたの名前は安倍さんですよね?」
「なんで知っている?」
「隣のクラスに高校が始まって3ヶ月立ったのに休み時間や下校時間まだ誰とも話したことが無い人がいると聞いたことがあるので」
何だそのくだらなくもうざったい噂は、
「ほっとけ」
「そうですか(笑)」
小鳥遊は天然なのかと思ったが案外人をからかうのが好きらしい
「ん?」
「どうしました?」
何か引っ掛かりを感じたが、なんだろうか、、、
小鳥遊って聞いたことあるな
そんなことを考えていると、ふと思い出した
「小鳥遊ってもしかして」
「気づかれましたか」
気づくも何も小鳥遊といえば小鳥遊グループだ、ホテルを始めとした日本だけにとどまらない世界にも通用する会社をいくつもも持っているとてもでかいグループじゃないか
なんで小鳥遊グループのご令嬢がこんな何もない付近の高校に来ているのかと不思議だが
「気づくも何もそこまででかいとこの娘なら誰でも気づくだろ、ましてや小鳥遊なんてそう居ない」
「そうですか?たかなしなら意外といますよ」
「そういうことじゃなくて漢字の話だ」
「あぁ、でもなんで気づかれたんですか?」
「昨日お前が悪霊り襲われて生徒手帳を落としたから渡す際にちらっと漢字が見えた」
「そうですか、学校では誰にも気づかれてはないのですが」
「そうなの?」
「はい」
まあ確かにあんな高校にこんな金持ちの娘が来てるなんてもっと金持ち学校に行ってると思うからな。
その後とりあえず今後の動きについて少し話し合い解散した
「面倒なことになったもんだ」
そう一人で普通なら誰も居ないはずの道で独り言を言いながら帰路に立った。
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