第4話 私が思う学校日常2

 昼休み、生徒には憩いの時間であり、ご飯をみんなで食べたり話したりといった自由時間でもある。こういった時間には、たまに新しい交友関係を築くために話しかけてくる人もいる。それが今からまた一人。


「ねぇ、一緒にご飯を食べない?」


「何故……」


 私は、警戒する。それは相手が男子であるから。高校の時期の男子は面倒だったと、兄から聞いていたから。もしかしたら隠れた欲があるかもしれないのだから。


「何故って、クラスメイトと仲良くしたいからだよ。それに君とは、なかなか会えないからね」


 そうは言っているが、この男から顔ではなく身体を見てきている感じがする。多分、性欲というやつだっけか。それ目当てなんだろうなとよく分かる。でも、嘘をついてそうな動作はないから仲良くしたいのは本当なんだろうな。


 私はそっと右手の小指を内側に曲げて口を開いた。


「私は別にいいけど、他に友達がいるのではなくて? まだ高校は一ヶ月しか経ったていないからまだ関係は薄いと思うけど、私は時間があれば相手をしてあげるから、友達とすごしてきたらどうなの」


 私は関係を深く持ちたくない。だからこれは小さな嘘。貴方は貴方の友達との交友を大切にするといい。


「わ、わかったよ。君が僕達を見て、認めたのなら話に来て」


 彼はそう言って、友達と思われる集団の中へ戻っていった。


「さてと……、私もわたしでご飯食べよ」


 私は、お母さんが朝から作ってくれた弁当の卵焼きを頬張った。うん、甘めの味付けで美味しい。


 お昼休みが終わり、その後の午後にある5、6、7限目の授業を終え放課後になった。私は朝言ったように部活には所属していないので、そそくさと家へ帰るつもりだったのだが、今日は近くのコンビニへ寄ることにした。


 コンビニにはいつもお世話になっているなとつくづく思う。何せ、気軽に来ることができて雑誌から食品と何でもあるわけではないが、ある程度揃っている。私は、作業用にエナジードリンクを一本と夜食用でカップ麺を一つ買ってから、家に帰ることにした。


 今日はどうするか考えたところ、最近オリジナル楽曲の投稿をしてないことを思い出し、その作業をやろうと思った。


「曲名は『Lies And Life』にしよう。多分来週あたりにはできるよね」


 帰り道で私は、曲の形を思い浮かべていた。

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