第22話「地獄巡り」

心にもない事を言えるほど

惨めになった

大人になるほど不純になり

ただ積もった責任を

アルコールで洗い流す


掃きだめのように家に転がり

命の不始末をつける

ただ流したテレビも

深夜を回って砂嵐になった


世界とはぐれた僕は

もう望みなどない

ただ痛感した

現実は僕のものでは無いと


そうして僕は僕と出会えず

誰かの手の中で転がる


もう限界だ

救いのない涙を何度流しただろう

応えのない声を何度押し殺しただろう


これ以上生きても

惨めだ


ならもう決着を付けよう

死を待っていたら

地獄を味わうだけだから


死んで忘れよう

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