第18話「降り立つ」
一千の言葉も
今夜だけは聞けもしない
辺り一面は真っ赤で
通行人は面白がるようにツイートする
生きていたその子が
死んでいっても無関係だと
誰もが粗雑に扱う
一切の躊躇なく
根底には悪意ではなく
本人の弱さが適用力が
ないとされ
ニュース番組はせめて
道徳的に振る舞っていた
生きていた事
死んでいく事
その両者に彼女は悲しんでいたはずなのに
その思いを汲み取ることもせず
墓にはナイフが置かれた
死別した家族と友人
生きてさえいれば可能性はあったと
それでも悲しみが上回ったと
その痛みに気づけず
支えれなかったと
泣いて泣いて泣いて
呼吸が吐瀉物に変わる
もう僕も死んで
君を探そうと
そう感情が振り切れたが
死ねずじまいの臆病で
墓に立っては
君が舞い降りるのを待つ事しか
出来なかった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます