第14話「平和主張」

ロンリーにカスタムした

持論と空論

その語り部は不幸者で

主義も果たせず

死へ向かっている


泣いて得る

同情のはずだったが

弱虫だと反感を買い

Tシャツには血が滲んでいく


家に着けば

デイドリームを見て

せめて画面の中で愛されようと

仮想人格でレコメンドする


媚び売った現実

弱いものを省いて

真ん中の方でのさばる大勢

それが生きる術と

手慣れた口調で言われ


信じた先から

追い込み自殺させた


大人は生徒間の問題だったと

合理的に書類だけを揃え

墓場に行く事もなく

また学校を再開する


僕らの身勝手が

その子を殺したと

消えない痛みを打ち明けたが


優しいねと片づけられ

反省も垣間見えず

次の喰いものは僕になり


痛くて痛くて

死んだあの子の

自分さえ消えればいいと

そう反感しない姿勢だったと

涙して

僕もまたその子を追うように

死んで平和を願った

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