第6話 魔法学園 退学

「すみません、今日で魔法学園を辞めようと思います」


うん、解っているわ。


金貨10枚じゃ学費は払い続けられないわ。


もう、辞めるしかないわね。


「マリルさん、マリルさんが寮から出られて3日位したらご実家の方が来られて正式に退学になっていますよ」


ハァ~よく考えればそうだわね。


実家から縁をきられたんだから当たり前だわ。


寮費の節約の為に近くに部屋を借りて引っ越したのだけど、実家を絶縁されたのだから退学になっていても可笑しくないわね。


「そうですか…お世話になりました!」


「まぁ気を落とさずに頑張って生きて下さい」


まぁ成績も最下位だし、真面な魔法も使えないんだから、居ても仕方ないわ。


冷ややかな営業スマイルで私は送り出されたわ。


だが…これで良いのよ!


だって、勉強したけど『何も身につかなった』んだもん。


此処で学ぶ事は何もないわ。


辞めて正解。


敢えて、私は此処にセレスを連れてきていない。


もし、セレスを見たら、恐らくは退学は取り消し、無理やり復学させられる可能性もあるわ。


だって、超優秀な、兄姉だって小動物しかパートナーに出来なかったのよ!


人間をパートナーとして呼び出した人なんて、それこそ伝説にしか居ないもの。


『魔法の素質を見るにはパートナーを見よ』


そんな考えが昔はあったみたいだわ。


そう考えたら、私は『伝説の魔法使い』並みに凄い事になるわ!


なんだか、不味い事になりそうだわね…だから、退学で正解だわ。


◆◆◆


「セレス、服だけ買ってきたのよ!これを着たら出掛けるわよ」


「マリル、何処に行くの?」


「買い物よ、買い物…あなた何も持って無いじゃない!生活に必要な物を買ってあげるわ、その後は冒険者ギルドへ登録よ!」


流石ボロ着のままじゃ出掛けられないから、帰り道に服だけ買ってきたのよ。


「マリル、解った…僕、外出するなんて初めてだから楽しみだよ!」


「そう? ほら行くわよ!」


私は手を差し出したわ。


べべ…別に美少年だから手を繋ぎたい訳じゃ無いわ…


こうしないと迷子になっちゃうから仕方ないじゃない?



◆◆◆


見られているわね。


まぁ、当たり前だわ。


だって、セレスは超がつく程の美形なんだもん。


お兄様も良く美形だと言われていたけど…全然レベルが違うわよ。


だって、セレスは…私が生まれてから今迄で見た、どの男性よりも綺麗なんだから。


だけど、そんなセレスは残念ながら…私のパートナーなのよ!


パートナーと召喚主は『どちらかが死ぬまで別れないの』つまり、セレスは私のものなのよ。


残念ね。


セレスに必要な日用品を一式買い…今二人で武器屋に来ている。


冒険者登録の前に武器は購入した方が良いわ。


余り予算は無いけど…出来るだけ良い物を買ってあげたいわね。


セレスは、凄く綺麗なんだから、変な物は持たせたく無いわ。


「いらっしゃいませ」


「さぁ、セレス、此処が武器屋よ…ここで貴方が使えそうな武器を選んで」


「解りました」


うっ嘘でしょう…武器ってこんなに高いの? 金貨3枚位からしか無いじゃない...


どうしよう...







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