なんで縦書きは右から左に読むかなあ、みたいな ⦇大長⦈

 こんにちは、たてごと♪ です。

 頭が割れそうなくらい痛いときには、瞬間接着剤をこうにゅうしておけば、万が一に割れてしまった場合でも安心ですよね!


 ……はい(

 まああれ、たまには逆向きの言語もあるみたいですが、世界のだいたいの横書き文章って〘左⇨右〙へ向かって読みますよね。

 一方で、日本語とかの縦書きだと〘左⇐右〙に読んでいく感じになります。

 ちなみに、縦書きというやつは漢字圏特有の文化で、日本にも漢字とともに中国から伝わりました。

 いやまあ戦時中には、横書きの日本語も〘左⇐右〙、でしたけれども。

 でもあれは、ただ〝敵国メリケンならわない〟ためだけにそうしてた、とかいう「マジモンのくろれき」なんで、もう忘れたほうがいいでしょう(


 この縦書きがどうして〘左⇐右〙というルールなのか、という理由については実は、はっきりしてないそうで。

 実際のところ、縦書きって〘左⇨右〙でも案外ふつうに読めるので、読みやすさの問題でもないと思われます。

 ただ一説に、〝そのほうが筆記上、体裁のバランスを取りやすいから〟ではないか、っていうのが挙げられてましてね。

 つまり漢字混じりの文章だと、視覚的なバランスがシビアになりやすくって、ちょっと狂っただけでかっこうになるもので。

 かつ、筆とは右手で操作するものなので、〘左⇨右〙に書こうとすると余白部分が手で隠されて見えなくなって、文字配分に不都合だと判断されたんじゃないか、と。

 そういう事らしいです。

 これが西洋だと、筆は紙から手を浮かせて操るのに対して、ペンは手を紙に着けて書きますからね。

 その状態で〘左⇐右〙に書いてくと、手も紙面もインクで汚れまくるからアカン、と。

 そういうわけで、「縦書きは〘左⇐右〙」「横書きは〘左⇨右〙」になったんだとか何とか。


 ほか、〝巻物を読むには〘左⇐右〙のほうが都合がいい〟という説がありますが、これは判断に迷うところです。

 まずもって、ただ持つだけでいい引き側と違って、巻き側はそれを持つ握力を、適切にコントロールしなきゃいけません。

 そういう操作は、利き手にやらせたほうが圧倒的にやりやすいはずなので、大半の人には右手で巻物を持って左手で引く、のほうがずっと簡単でしょう。

 とはいえ巻物を引くという、まさに文字を読んでいるその視点に直接かかわる操作は、利き手でやったほうがしっくりくる、という感覚的な話もあります。

 どっちなんでしょうね。


 ま、要は「よくわからない」って事で(



     †



 で、その話はそれで終わりなんですが(

 余談として、そもそも何で「筆やペンは右手で持つ」のか、って話がありまして。

 むしろこっちのほうが本題だったり(


 はい、〝人にとっての左右の違い〟についての話になります。


 筆記具にかぎらず道具類をあやつるのに、右手が優先的に使われるのは当然、ぼくらの大半が右利きだから、なんですけれども。

 これにはちゃんと理由があります。

 というのは人の脳、これが大まかに右脳と左脳で、分かれてるわけですけども。

 それぞれ「左脳は論理」「右脳は感覚」の処理が得意、ってことで知られてますよね。

 かつ頭より下の部位について、「右脳が左半身」「左脳が右半身」ってふうに、左右逆にかんかつしてることもまた、知られてます。

 はいもうこれで、理由見えましたね。

 つまり論理的思考が得意な左脳が、右半身を担当している。

 だからこそ右半身のほうが、より論理にもとづいた操作をできる。

 ってなわけですよ。

 それで大半の人が、どうしても右利きって事になるんですね。


 じゃあ、全体のおよそ1割ほどを占めてる左利きは、ありゃ一体何なのさと。

 そんな疑問も当然出てくるわけですが、統計的に左利きの人には、大きな功績をのこす人たちが多い、って事が確認されてまして。

 なので左利きというのは、〝右脳が異常発達してて、感覚だけでなく論理もバリバリこなせてしまう状態〟というふうに考えられてるんですね。

 だから左利きの人たちは基本、思考力がクッソ高いです。

 げいじゅつの分野でも才能をよく発揮しがちなんですが、もともと感覚的思考が得意な右脳が、論理的思考までをもこなしてしまったら、それはそういう事にもなるでしょう。


 ただ一方で、社会のシステムはだいたい右利き仕様。

 子らの親も、それに合わせてきょうせいしようとしたりもするもので。

 それらはただ不便というだけじゃなくて、精神を強く圧迫するものですから、左利きの人たちは思われているよりももっと生きづらい、ともわれます。

 いい事ばかりじゃないですね。

 

 ちなみに、左利きの人が生まれる理由はやっぱり、はっきりしません。

 両親が右利きだと1割弱、両親が左利きだと2割6分くらいの割合で、左利きの人たちは誕生してくるものですから、遺伝的要素が強い、とはわれてます。

 ただ、前者の場合でも誕生するって事は、突然変異でもあるのかもしらんですし。

 あるいは遺伝子に何らかの、血液型みたいな因子の組み合わせが有るのかもですね。


 あ、どうでもいいですがぼくは右利きです。



     †



 そういうわけで、ぼくらは大まかに「ほうゆう」なんですね。

 英語で「rightライト〈右〉」という単語が、〈合わせるべき方向〉つまり〈正しさ〉の意味にもなるのは、たぶんそういう理由でしょう。


 ところがここで、面倒な話がありまして。

 日本には古来、〝じょう〟というきたりがあるんですね。

 それは


  ◦ 横並びに序列するとき、左をかみ、右をしもとする


というもので、やっぱりこれもお隣さんの、中国から伝来したんですけれども。

 まず、「〝不動の北極星〟を背に負うことこそ、〝不動の存在〟としてわしい」って事で、とりあえず天帝ちゃん()には南向きに座してもらうと。

 するとその天帝ちゃん()から見て、日ののぼる東は左にくると、そういう由来が有るものらしいです。


 これだと左のほうがまぶしい、つまり「左大臣」「右大臣」なら前者のほうがエラい、って事になるわけですね。

 「じょうゆう」という熟語の字の並びにも、その序列があらわれてるって言えるでしょう。

 ほか舞台の左右についても、演者からみて左側、すなわち客席からみて右側が「かみ」、その反対側が「しも」と呼ばれたりします。

 自動車で、外車では左ハンドル、日本車では右ハンドルが主流なのも、運転とは使用人がする事ゆえに、助手席がかみに当たるからなんですね。

 日本と西洋では、左右での序列が逆になる、ってわけですよ。


 これホント、もう大混乱ですよ。

 単に面倒くさいってだけじゃなくて、日本人自身があんまりよくあくしてませんからね。

 ひなだんとかでも『かんとうびな』だと、だん視点で本来左側にいるはずのだい様が、なんかちゃっかり右側にいたりとか。

 あれかな、権力にまつわる責任とかもうイヤんなっちゃって、そんでひな様にぜんぶ押しつけちゃった、とかですかね(

 だとしたらなんか、現代日本をしょうちょうしてるかのようですね(



     †



 ともあれ。

 ここで漢字というものを見ていくと、ガッツリ不整合が出てくるものでして。

 たとえば軍で、階位をあらわす称号に、「たい」とかあるじゃないですか。

 この〔佐〕は「」とかのそれなんですが、その字義としては〈上位の相手を助ける〉なんですね。

 逆に〔佑〕という字も有って、こっちの字義は〈しもじもの者らを救う〉なんですよ。

 実はこれ、どっちも「たすける」「たすける」って読めるんですけども、つまり


  ◦ 佐:⦅上位者を助ける⦆下位者

  ◦ 佑:⦅下位者を助ける⦆上位者


って事で。

 だから軍には、「たい」という称号は有っても、「たいゆう」という称号は無い。

 ほか、


  ◦ よく:勢力あって尊重されるべき家柄

  ◦ よく:勢力なくパッとしない家柄


からの、派生して


  ◦ さいよく:その分野で最先端をゆく者

  ◦ さいよく:その分野で最後尾をゆく者


ともうもので。

 これもう全然、左上右下と違うじゃないですか。

 完全に〝じょう〟じゃあないですか。


 余談ですが、「右翼」「左翼」を政治の文脈でう場合には、それぞれ〈保守〉〈急進〉の意味になりますけれども。

 こっちはまあ、だれがとは言いませんけど()、考えなしにこじけたやつでして。

 おかげで、旧来の「右翼」「左翼」という言葉が殺されたんで、正直もうちょっと考えてことば作れよ、って思うんですけども。

 さらにはこいつ、ただ〝フランス議会での座席配置が、フランス革命時にそうなってた〟ってだけの、非常に薄っぺらい由来だったりするんですね。

 つまり通用させる根拠にとぼしいうえに、慣れない人には「左右」じゃ区別つけづらいわけで。

 ふつうに素直に「保守」「急進」ってったほうが、ずっとよく伝わると思いますよ。

 そういうわかりづらいことばづかいをして許されるのは中二病かんじゃだけです(


 かん休題。

 そういうわけでことばの観点では、西洋とおなじく「右方優位」って事になるんですよ。

 なのにそれが、くだの〝北極星うんぬん〟の話によって、じ曲げられちゃったのかなあ、とか。

 そういう事を想像したんですが、さてどうなんでしょうね。

 だとすれば、〝じょう〟ではなく〝じょう〟がたぶんこうていされるべきで、だい様もやっぱり右側、ってなってしかるべきなのかもしれません。

 あるいは縦書きが〘左⇐右〙なのも、これが理由なのだとも考えられますね。


 つーか、何だよおい。

 いかにも中二病かんじゃが好みそうなネタじゃねえか北極星(


 というわけで、「そのとおり」をちょっといかしくう、「さよう」って言葉。

 しばしば{よう}とは書かれるけど、でもこれって当て字で、本当は「よう」よね。

 しかも特に、目上の発言に対して返したりする言葉じゃん。

 にもかかわらず、ただでさえ正式じゃないうえ、あまつさえ〝じょう〟にのっとって解釈されるとしたらもう、無礼千万にも程が無いかや?

 〔然〕なんて一般的に遣われてる字なわけだし、そういう当て字はけてったほうがよろしいかとおもいます、



     †



 ちょっと別の話。


 たとえばのRPGの、あるいは漫画やアニメの、バトルシーン。

 あれって多くの場合、重要な見せ場では特に、右手側に主人公たちが配置されますよね。

 これがもし左手側だと、妙にしっくり来ないんですよ。

 理由はこれまたはっきりしませんが、おそらくは〝急所とされる臓器が、やや左側にかたより気味なせい〟ではないかと。

 そのために、


  ◦ 右側にいる相手には、安心をいだきやすい

  ◦ 左側にいる相手には、警戒心をいだきやすい


って性質が、ぼくらには有るのだと。

 一応そんなふうにはわれてるので、だからこれにしたがって配置をするとわりいい、というわけです。

 昔の君主は、信頼できる部下を自分の右側に立たせて、それを「みぎうで」と呼んだりしていましたが、まあ要するにそういう事でしょう。

 カップルの立ち位置としても、男性が右側のほうが何となく安心する、という女性は多いようですので、これおぼえて帰ってください(


 横スクロール型の、アクションやシューティングのゲームでも、〘左⇐右〙へ向かってスクロールするのが一般的ですよね。

 画面が〘左⇐右〙へ流れるっていうのは要するに、右手側が左手側へ向かって作用をおよぼすかたちだということ。

 だから何となくちつくわけですね。

 両方向にスクロールできるゲームもありますが、これで左側へ向かうときって、妙にザワザワきませんか。

 これももしかしたら、あるいは縦書きが〘左⇐右〙になってる理由のひとつ、なのかもしれません。

 

 また、あえてそこをさかにとって、「敵性個体を右側に配置することで、微妙な不安感をかもし出す」という技法も存在するようです。

 アニメのピンチシーンだと、悪役が右、主人公が左、といった配置になってる事がほとんど。

 有名RPG『ファイナルファンタジー』のバトルシーンでも、普段であれば主人公たちが右側で、敵モンスターは左側。

 これが「バックアタック」を受けると逆転してしまうわけですが、あのとき感じさせられるイヤぁな不穏さと言ったらもうね。

 かくとうゲームなどでは、この逆配置をむしろ標準でやることで、敵から「rightライト」を、強大さを感じさせる、ってところをねらうわけです。


 ほか、シナリオがものっそい()ことで有名な『逆転裁判』も、標準でこの逆配置をやってるわけですけども。

 つまり主人公であるべん士が左側、敵役の検事が右側。

 これにはもしかしたら、「自分を疑え」「相手の話を聞け」みたいな意図が、有ったりするのかもしれません。

 それは裁判においては、最重要に近いことです。

 タイトルロゴではさらに逆方向、つまり右位置から左へ向いたシルエットがえがかれてますから、たぶんわかった上でそうしてるんじゃないかな、って思ってます。

 そこへ行くと『4』のどろくん、キミさあ……(



     †



 はい。

 〝人にとっての左右の違い〟について、ざっと並べてみましたが、いかがでしたでしょう。

 意識してなければ、単に「方向」としか認識されない、左右。

 案外いろいろと固有の性質があったりするので、たまにはちょっと観察してみるのも、おもしろいかもしれません。


 たとえば人は考え込むとき、やや右寄りの方向へつい目線をやってしまう、みたいな傾向もあったりしましてね。

 理由はもちろん、左脳が主として働くために右半身が活発になるからで、なので左利きの人には当てはまらない事かもしれません。

 まあ意識してれば抑えれはするんですが、でも深く考えれば考えるほど、そんな意識なんてできなくなりますからね。

 もし会話してるとき、べつに考え込むような状況じゃないのに相手が右のほうを見ていたら、ひょっとしたら何らかの、うそとかを。

 あるいはくだらないジョーク()なんかでも、いっしょーけんめえ考えてたり、するのかもですね。

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