事情聴取

「『カンカン照りだった空が曇りかかってきた頃、私は彼の仕事に拘束されました。』で間違いないな。」

「はい。」

彼だ。彼が目の前に居る。ああ、どうにかなってしまいそうだ。私は彼に会いたくて、会いたくて。

「お前、自分の子供だけ殺してはないだろう。東京連続男児殺害事件にも関与をしているだろう。おい。どうなんだ。」

ああ、そう。そうなんだ。私が男児を手に掛けた。

「はい。男児4人を殺しました。」

へへ、結局はこうさ。こんな三十路、漬け込んでしまえばこんなもんだ。

「そして…。」

「ん。なんだ。」

「久保田刑事。その女、立川市少女殺害事件の関与も疑われます。」

は。どういう事だ。この女が俺の娘を殺したのか…。

「おい。どういう事だ。説明しろ。“山瀬歩夢”。」

彼、感情的になってる。

「刑事!その女は…。」

私は。

「私が久保田雅美です。」

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