第22話
妹視点
「お兄ちゃん、ご飯持って来たよ。」
「・・・ありがとう」
たまに、お兄ちゃんは感謝はしてくれる。
ごくたまにだけど、
おそらく癖はまだ残っているのだろう。
たまに見える姿から、お兄ちゃんの体格はそこまで変わってないけど、今日も顔の色は変わっていない。
「・・・妹」
「どうしたの?お兄ちゃん」
「あの教師、また来るのか?」
「うん、来ると思うよ」
「最悪、ゴミかよ」
前のお兄ちゃんなら絶対に言わない言葉を言ってお兄ちゃんは扉を閉めた。
「・・・お兄ちゃん、」
今ならお兄ちゃんを信じられる。だから分かる。お兄ちゃんは決して手当たり次第人に文句を言う人じゃない。
だからあの教師もきっと、お兄ちゃんに・・・
本当に、ずっと一人だったんだね。お兄ちゃん
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