裏話#16


 #16 設定集5


今回は設定に関する内容の第5弾です。



 その1 アストリア陛下のぬいぐるみ

閑話6 アストリア陛下の華麗なる一日――この話では、羽を伸ばしたいアストリア陛下が偽装魔法で姿を変えて侍女の姿で自由を満喫するエピソードとなっています。

このエピソードの冒頭で、アストリア陛下の執務室の椅子には彼女を模したぬいぐるみがちょこんと置かれていました。

実はこのぬいぐるみ、アストリア陛下が自分で作ったお手製ではなく、聖王都で実際に販売されているものを購入したのです。

何で、聖王都でそんな物を販売しているかというと、アストリア陛下は歴代でも数少ない女王であり並外れた美貌と国民想いの人柄から人気が凄まじく、是非陛下のグッズを作らせて下さいとお願いされたからです。

宰相をはじめとした家臣達は渋い顔をしましたが、茶目っ気が強いアストリア陛下は快く了承。そうして作られたグッズのひとつが閑話6に登場したぬいぐるみだったわけです。

ちなみに、アストリア陛下の艶やかな肖像画(早い話が子供は見ちゃダメな絵)を販売したいので描かせて下さいというチャレンジャーな画家が居ました。が……当然の如く、それを聞いてブチ切れたグラン隊長に聖王宮から叩き出されたのは言うまでもありません(;´・ω・)




 その2 騎士や兵士になる条件

各国には深淵の軍勢から国民を護る為、騎士や兵士が居ます。聖王国では騎士や兵士になるには、ディゼルが通っていた聖王都の王立学園や吾輩くんが通っていた各地にある兵士訓練校といった教育機関を卒業する必要があります。

深淵の軍勢という恐ろしい怪物達と戦うには、単純に剣術や体術といった戦闘技術や肉体の鍛錬だけではどうにもなりません。

兵士は最低でもふたつの魔法――肉体を強化する身体強化術と敵の攻撃を防ぐ結界を張り巡らせる結界術の習得、騎士はそれらふたつに加えて敵の気配や居場所を感知する感知術を習得する必要があります。

身体強化術、結界術は必須である為、教官達が鬼の指導で徹底的に叩き込むのでに嫌でも習得する事になりますw

感知術の授業は王立学園、兵士訓練校のどちらでも受けますが、王立学園の方がより習得する為の時間が長いです。というのも、王立学園と兵士訓練校では在籍期間が異なっており、王立学園の在籍期間は12歳から16歳まで、兵士訓練校の在籍期間は12歳から15歳までとなっています。

兵士訓練校は卒業が早い分、王立学園の生徒よりも早い段階で実戦に参加する事が出来ます。しかし、それゆえに感知術を習得出来ていない人間が多いのです。

聖王国では一般兵でも活躍次第で騎士になれますが、感知術は当然習得しておく必要があります。

一方、王立学園騎士科の生徒は卒業までに感知術が習得出来ていない場合は、一般騎士ではなく騎士見習いである従騎士として騎士団に配属されます。

余談ですが、ディゼルの友人であるジャレットは最終学年になっても感知術の成績がイマイチで、危うく従騎士で騎士団配属になり掛けました。学年次席のアメリーが訓練に付き合ってくれたお陰で、無事に感知術を習得して一般騎士として騎士団に配属されました……もしかしたら、これがふたりの馴れ初めだったのかもしれません( *´艸`)



 その3 グラン隊長の後継者

グラン・アルフォード――ディゼルの上官であり、アストリア陛下の護衛も務めた守護騎士の隊長です。彼は深淵の戦いの後、アストリア陛下と結婚して聖王国の国王に就任しました。

当然、彼が国王になれば守護騎士の隊長は他の者に譲らなければなりません。グラン隊長は、守護騎士の中でも上位の実力者を隊長に任命しようと考えていました。

候補者はふたり、ひとりは火の力を宿すブルーノ、もうひとりは水の力を宿すリシャール。彼等はグラン隊長とディゼルを除けば、守護騎士屈指の実力者であり、経験や実績も十分な逸材でした。

しかし、ある理由からブルーノは隊長就任の話を辞退し、リシャールが守護騎士隊長に指名されました。リシャールは当時のローエングリン家の嫡男で、本編に登場するファイ・ローエングリンの祖先です。

実力伯仲であったブルーノの辞退に思うところがあったリシャールでしたが、国王となったグランの勅命に異を唱える事は出来ず、守護騎士隊長の座に就きました。

ブルーノが隊長就任を辞退した理由は、何れ本編で語る予定です。





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