フェルメール
中学の美術の時間に、教科書の絵をひとつ選んで模写することになった。
あやなっちは、フェルメールの「牛乳を注ぐ女」っていう絵を模写した。
完成させた絵を、まるめて手に持って家に帰ったら、庭にいた、おばあちゃまとおじいちゃまは、あやなっちの手から、スッと絵を取って、ふたりで広げて見ていた。
ふたりで、笑いながら顔を見合わせている。
「はいっ」
って言って、また、あやなっちに絵を返してくれた。
あやなっちは、家の2階の部屋にあがって、絵を壁に貼った。
夜、寝てたら、霊の女の子は、あやなっちの模写した絵を見てくれてるみたいだった。
☆
中学の美術の先生も、教室で、あやなっちの描いているところをいつも嬉しそうに見てくれてる。
あやなっちの描く絵を好きみたいだ。
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