フェルメール

中学の美術の時間に、教科書の絵をひとつ選んで模写することになった。

あやなっちは、フェルメールの「牛乳を注ぐ女」っていう絵を模写した。


完成させた絵を、まるめて手に持って家に帰ったら、庭にいた、おばあちゃまとおじいちゃまは、あやなっちの手から、スッと絵を取って、ふたりで広げて見ていた。

ふたりで、笑いながら顔を見合わせている。


「はいっ」

って言って、また、あやなっちに絵を返してくれた。


あやなっちは、家の2階の部屋にあがって、絵を壁に貼った。


夜、寝てたら、霊の女の子は、あやなっちの模写した絵を見てくれてるみたいだった。



中学の美術の先生も、教室で、あやなっちの描いているところをいつも嬉しそうに見てくれてる。

あやなっちの描く絵を好きみたいだ。

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