第37話 熱海旅行6
やらかし暴露大会のあとは特別何もなく、部屋へと戻った。
そして志歩が髪を乾かすために洗面所に行ってるときに思った。
「俺あまあまヤバいことしてない?」
許嫁の裸に興奮して鼻血をぶちまけた挙げ句、その許嫁の身体を洗う。
普通にヤバかった。
お風呂での出来事は墓まで持っていこう、そう決意した瞬間だった。
「次ゆーくんいいよ~」
志歩が戻ってきた。
そして一瞬だけ志歩の裸が頭をよぎった。
「あ、あ、うん。分かった」
「なんでそんなに目が泳いでるの?」
なんでいつも察しがいいのに、こういう時は察し悪いの?
「あ、もしかして思い出しちゃった?」
とか言われた方が開き直れるのでよっぽど良い。
「あ、え、いや、なんでもないよ」
「大丈夫?」
笑いながらそう聞いてきた。
「大丈夫」
俺は早歩きで洗面所へと向かった。
そして煩悩を振り払うために風量マックスにしたドライヤーで髪を乾かしていた。
「ねーねー」
「うわぁ!」
ドライヤーの音で足音とかが全く聞こえなかった。
「な、何?」
「さっきから挙動不審だけど大丈夫?」
「いや大丈夫」
「本当に〜?」
だからなんでそんなに察しが悪いんだぁぁ!
それだけ言って志歩はリビングへ戻って行った。
髪を乾かし終わりリビングに戻るとテーブルの上には料理が並んでいた。
「あれ、いつの間に?」
「ゆーくんが髪乾かし始めた直後に来たよ」
「待たせちゃたね。じゃ、食べますか」
料理が冷めるのも嫌なので早々に食べ始めた。
「ふー食べた食べた」
多すぎる気もしたが食べてみると意外と丁度良かった。
志歩は少し物足りなそうな顔をしている。
「今お腹何分目?」
「5分目!」
ほうほう、どうやら志歩の胃の容量は俺の2倍らしい。
普通にバケモノである。
「どうする?結構遅いけどどこかまた食べに行く?」
「もうお風呂も入っちゃったし大丈夫」
いくら食欲旺盛な志歩でも風呂にもう1度入るのは面倒だったらしい。
「ふぁぁぁぁ〜」
志歩があくびをした。
「眠い?」
「うん〜」
今日は結構歩いたし眠くもなるか。
「寝室どこ〜」
「洗面所の右にあるドアだって」
歯を磨き部屋に入った。
部屋にはキングサイズのベットが1つだけ置いてあった。
当然志歩は部屋に入って速攻でベットにダイブした。
「柔らか〜い」
そこで俺は気付いてしまった。
この部屋にはベットが1つしかない。
要するに志歩と同じベットで寝なければならないということだ。
ここまで来て、ソファーで雑魚寝はなんか嫌なので同じベットで寝るしかない。
「ゆーくん隣来て〜」
あどけない表情と気の抜けた声でそう言ってきた。
(理性崩壊2度目の危機)
志歩は眠いからかぼんやりとしている。
そして俺も眠い。
という事は俺も志歩もガードがユルユルだ。
(どうしよう……)
そんなことを考えて突っ立ていると志歩に手を掴まれベットに引き摺り込まれた。
「早く寝よ〜よ〜」
今度はコアラのように俺の身体をホールドしてきた。
俺の力では志歩の怪力に抗うことは出来ないので天を仰ぐしかなかった。
相当疲れていたのかそれからすぐ、志歩は寝てしまった。
対して俺も眠さの限界が来ていた。
理性崩壊する前に眠りに付けそうだ。
志歩の頭が丁度目の前にあったので、撫でながら眠りについた。
「ん?」
翌朝、俺は顔に当たる妙な温もりと柔らかさで目が覚めた。
俺は志歩にヘッドロックをかけられていた。
しかもあの怪力で。
幸い志歩には胸という名のクッションがあるので俺は死なずに済んだ。
「あれ?なんでゆーくんが私の布団に…?」
「いやここホテル、昨日志歩に引き摺り込まれた。あとヘッドロックやめて」
寝ぼけているのか、単に俺の話を聞いていないのかヘッドロックを離してくれない。
そして志歩が起きた事で、俺の顔が志歩の肩に当たるようになった。
「鼻がぁぁぁぁ」
志歩が俺の悲劇に気づいて離してくれた時には、もう俺の鼻は真っ赤っかだった。
「トラエモンみたい」
「誰のせいだ、誰の」
朝ごはんを食べてロビーに出たあと、どこに行こうか決めている時だった。
「優……だよな?」
「この人おにーちゃんのお友達?」
「………は?」
めっちゃ龍馬の声が聞こえた。
「やっぱ優じゃん」
振り向くと絶対ここにはいないはずの龍馬がいた。
「いやなんで???」
後書き
誕生日だからと浮かれて遊んでたら書くの間に合いませんでした。
ほんとすいません。←2回目
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